たけしの挑戦状

2009-08-01 2023-11-23

saizo

対応機種
ハード	ファミリーコンピュータ
ジャンル	アクションアドベンチャー
発売元	タイトー
発売日	1986年12月10日

ヘンなゲームといえばコレ。たけしワールドを体感せよ！
タレントのビートたけしが監修したアクション・アドベンチャーゲーム。

独特のゲーム内容に賛否両論あり、当時はクリア不可能とまで言われたゲーム。プレイヤーは冴えないサラリーマンを操作し、最終目的であるお宝を探しに冒険に出るというゲームなのだが、謎解きはほぼノーヒントなので、攻略本でも見ない限りゲームが全く進行せず、その頼みの綱の攻略本でさえ未完成だったというから驚き。そのため、当時はゲーム雑誌やクチコミを頼りにあらゆる手段を講じて攻略していたというユーザーが多かったのではないだろうか。

予備知識無しでプレイすると意味不明なゲーム内容に圧倒され、一瞬でクソゲーのレッテルを貼られた感があるゲームだが、芸能界の大御所ビートたけしが監修したことと、それまでに出たゲームの中でも一際異彩を放つ存在だったことから、今なお古参のゲーマー達から熱いリスペクトを受けているのがこのゲームである。

もう20年以上も前のゲームにもかかわらず知名度は抜群で、最近ではなんとWiiのバーチャルコンソールでも配信されている。昔とは違い、今では有志による攻略サイトが沢山あるので、ゲームをクリアすること自体はそれほど難しくない。攻略関係はそちらにお任せするとして、ユニークなゲーム内容の一部をご紹介しよう。

主人公はどこかのサラリーマンで、最近業績が悪い主人公が社長室に呼び出されるところから始まる。小言を言われつつボーナスをくれるが、社長室を出たら再び入ってすぐに「辞表を出す」を選択し、会社を辞めよう。退職金として50万円貰える。更に、事務所の植木鉢のところでしゃがむとヘソクリ10万円があるので必ずゲットしよう。これで主人公は自由の身となる。

このゲームは結構自由度が高く、色々な店で買い物ができたり、映画を観たり、飲み屋で飲んだり、パチンコをする等、様々なことができる。そのうち攻略に必要な行為はごく一部だが、当時ではこういうゲームは皆無で、リアルシミュレーター系の走りだと言えなくも無い。例えるなら『シェンムー』（セガ）や『龍が如く』（セガ）辺りに雰囲気が近い。さすがに最新のゲームと比較するのは酷だろうが、当時でこれを作ったタイトーのセンスが凄いのか、それともたけしのセンスなのか…。

細かい攻略は省くが、ゲーム序盤で必ずやるべきことは下記のとおりである。

1．会社を辞める
2．妻と離婚し、慰謝料を払う
3．謎の老人から宝の地図を手に入れ、老人は必ず殺しておくこと
4．カルチャーセンターでひんたぼ語、ハンググライダー、三味線の資格を取る
5．パチンコの景品「三味線」を手に入れる

これだけ聞くと何を言っているのかさっぱり分からないかも知れないが、クリアするためには必須事項である。中盤以降は海外に舞台を移し、冒険は更に続くが、それこそ攻略サイトを見ないとクリア不可能な領域になるので、どうしてもクリアしたい御仁はそちらを参照…。

ゲームの随所にシュールなギャグがちりばめられており、クスっと笑えるものが多いのも魅力。凄いのは、ゲームが始まる前にゲームオーバーになれることで、これには開いた口が塞がらなかった。他にも魅力満載の本作、今ではWiiでも遊べるので、当時遊んだ諸兄のみならずお子様にも体験していただき、ゲーム開拓史の片鱗を感じ取ってもらいたい。きっと、このヘンな世界を楽しめるであろう。

最後に、知っておくと役に立つ小ワザを紹介。