ゼルダの伝説 風のタクト
対応機種 | |
ハード | ニンテンドーゲームキューブ |
ジャンル | アクションアドベンチャー |
発売元 | 任天堂 |
発売日 | 2002年12月13日 |
まるでアニメのような動きは必見。
21世紀に入り、更なる進化を遂げた新しい「ゼルダ」。
いざ、大海原へ!
ハードをゲームキューブに移し、ますますパワーアップしたゼルダシリーズの1つ。
前作『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のシステムをほぼそのまま継承し、今回は大海原という新たなフィールドを冒険する。
システム面は元々完成度が高かったために大きな変更は無く、好評だった"注目"システムも健在。
ゲームキューブのコントローラではLトリガーボタンを使用するので、今回は"L注目"という呼称になっている。前作で慣れ親しんだ操作感覚そのままで違和感無くプレイ可能で、経験者は一安心といったところだ。勿論、初心者にはチュートリアル完備で優しい作りなので心配無用。
今回も主人公はやっぱりリンク。
プロロ島という小さな島で、祖母と妹の3人で平和に暮らしていたが、ある日、謎の怪鳥に妹が連れ去られてしまい、助け出すために海賊の力を得て旅に出るというストーリー。
今回の冒険は、本作を象徴する"大海原"が舞台で、帆船を駆っての旅がメインとなる。
この海はかなりの広さであり、端から端まで進むのに相当な時間が掛かるほどだ。海図を頼りに大小さまざまな島を巡り、時にはダンジョンを攻略、またある時は宝探しとイベントが豊富に用意されているのが魅力。帆船でカモメと共に風を切って進む様は見ていて爽快で、冒険心を掻き立ててくれるぞ。
ものがたり
その昔、神々の力が眠るという、緑豊かな王国がありました。ところが悪しき者に目をつけられ、闇に包まれてしまったのです。
取扱説明書より
そのとき、緑衣をまとった若者がどこからともなく現れ、退魔の剣をふるって悪しき者を封じ、王国に光を取り戻しました。
人々は時を越えて現れた若者を「時の勇者」と呼び、称えました。
そしてその話が語りつがれ、いつか伝説となった頃…。王国に再び災いの嵐が吹き荒れました。
勇者に封じられた悪しき者が、地の底より這い出てきたのです。
人々は時の勇者が再び現れてくれると信じていましたが、勇者が現れることはありませんでした。
その後、王国がどうなったのか知るものはいません…。
国の記憶は消えようとも、伝説は風に乗り今も息づいています。
ある島では男の子が大きくなると緑の衣を着せ、お祝いをします。
あの伝説の若者のように、勇気を知る者になれと願いをこめて。
プロロ島にもこの伝説が伝わっており、12歳になったリンクは祖母から緑の衣を贈られる。
そんなある日、謎の怪鳥にさらわれたテトラを追って、島に海賊船がやって来る。
怪鳥は島のてっぺんにテトラを落とし、一部始終を見ていたリンクはすぐに駆けつけてテトラを救う。
ところが、怪鳥はなぜかリンクの妹アリルを代わりにさらってしまい、いずこかに飛び去ってしまう。
海賊のお頭であるテトラを救出したのが縁となって、リンクは海賊一味と共にアリル奪還の航海に乗り出す旅に出る。
幾多の冒険を繰り返すうち、妹を助ける旅だったものが、いつしか世界の命運を左右する戦いに発展していくことになる。緑の衣を着た伝説の若者のように…。
物語の筋書きはこんな感じ。システム面に目を向けると、本作ならではの特徴が目につく。
分かりやすいものは、発売前から話題になっていたアニメ風のグラフィックである。
トゥーンシェイドで表現されたそれは、まるでディズニーアニメのような滑らかさでクオリティーが非常に高い。そして、単にグラフィックが綺麗なだけでなく、リンクの表情と目線を伺うことで謎解きのヒントを探るという仕掛けも盛り込まれている。謎に詰まったら、リンクの顔の動きに注目してみよう。
豊富なアイテムとアクションを駆使してダンジョンを攻略していくスタイルは従来どおりで、アクションは、持つ・投げる・置く・掴む・押す・引っ張る・ぶら下がる・ジャンプといった既存のものに加え、壁に張り付く・ロープアクションの新アクションが追加。
アイテムも望遠鏡・カギつめロープ・デクの葉・その他色々と用意され、これらを活用してゲームを進めていく。
最も重要な風のタクトは前作の時のオカリナに似た役割を持ち、唄を指揮すると不思議な効果を発揮。
カギつめロープは船に乗っている時に使うとサルベージが可能で、宝の地図を参照して海底から宝箱を引き揚げられる。このトレジャーハントも本作の楽しみの一つだ。
頑張って全ての宝をゲットしたい。
建物の壁やポスターなんかに書かれている文字は"ハイリア文字"というもので、一見するとデタラメな文字列にしか見えないが、一文字一文字にちゃんと言葉が割り当てられており、説明書の手引きで解読可能。竜の島のヴァルーやデクの樹サマ等の古代精霊はハイリア語を喋るため、理解出来るよう覚えておくと面白いぞ。余裕があれば是非マスターしてみて欲しい。
当時は筆者もハイリア語を何とかマスターしたが、現在はすっかり忘れてしまった。
もはやお約束となったコレクター関係ももちろん充実。
特に燃えるのがフィギュア収集だ。
写真を撮影出来るカメラを使い、あらゆるキャラを写真に収めてある人物に持っていくことで、それをモデルにフィギュアを作成してくれるというものだが、これが相当な数があり、全て揃えるのはかなり困難。対象は敵・味方を問わず、その辺にいる蟹やカモメなんかも対象となるので、とにかく何でもかんでも撮りまくると吉。一度しか会えないボスは特に見逃さないように。
注意点は、写真に概ね全身が入り、正面を向いて写っていること。
失敗写真だとダメなので納得がいくまで撮り直ししよう。
コミカルな見た目とは裏腹に、海の冒険は広くてハード。
美しい星空が広がる時もあれば、嵐が来ることもある。
海ならではの顔を垣間見ることが出来る。終いには幽霊船まで出るぞ。
島は大きな町があるものから、沖ノ鳥島みたいな小さなものまで様々。中にはダンジョンもあり、手応えのある謎解きを堪能出来る。
冒頭でテトラと妹がさらわれた理由は何なのだろうか。
そしてあの怪鳥は一体何者なのか。
やはり背後にはあの男が?……。