スターソルジャー
対応機種 | |
ハード | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | シューティング |
発売元 | ハドソン |
発売日 | 1986年6月13日 |
アツい夏の記憶が甦る…あの頃はよかった。
ハドソンが全国のチビッ子に叩き付けた挑戦状的ゲーム。
夏のキャラバン公式認定ソフト。
思えば、80年代の夏はアツかった。
気温の暑さじゃなく、夏のキャラバンのことだ。
夏のキャラバンを知らない諸兄のために説明させて頂くと、この頃のハドソンは夏になると精力的にゲーム大会を開いており、全国各地を回っていたことからキャラバンと呼ばれる。そして、毎年キャラバンのための公式認定ソフトなるものをハドソンがリリースし、全国のチビッ子ゲーマー達が苛烈なスコアアタックを繰り広げていたのである。第1回大会の時は『スターフォース』で、スターソルジャーは確か2回目だったように記憶している。
スコアアタック専用ソフトだけあり、かなりアツい破壊と弾避けが楽しめる本作。内容的には『スターフォース』とほぼ同じで、隠しキャラや特殊な条件のボーナス等が満載。それらについては当時の思い出を振り返りながらご紹介しよう。
地面のとある場所を撃つと出る「Zパネル」は、連続で破壊するとボーナス得点が得られる。場所が決まっているので、ハイスコアを狙うなら全ての箇所を覚えるのが必須条件。撃ち漏らしのないように。
そして「ラザロ」。
合体しながら現れるコイツを合体前に破壊すると大量得点をゲットでき、『スターフォース』のラリオスと同じ役割を持ったボーナスキャラクターだが、耐久力が高いので連射が遅いと破壊が間に合わずミスとなる。強靭な連射力が必要なのは言うまでも無く、お子様レベルでは到底太刀打ちできなかったものである。
しかし、チビッ子達のアイドル・高橋名人は違った。16連射という武器をひっさげ、華麗に撃破しては羨望の眼差しを受けていたのは遥か昔の出来事である。ちなみに当時高橋名人は相当な人気者で、映画出演も果たしている。劇中でスイカを16連射で粉砕するという荒技を披露したのはあまりにも有名。
話を元に戻そう。
本作では他にも目新しい要素が幾つか存在する。一番分かりやすいのはパワーアップシステムの強化だ。地上の「Pパネル」を破壊すると出現するSマークを取ると1段階パワーアップし、最高段階まで上がると自機にバリアが付き、本作を象徴する5方向弾を撃てるようになる。またBGMがアップテンポな曲に変わり、画面を埋め尽くす5方向弾の爽快感も手伝ってかなり盛り上がるぞ。この状態を維持するのが基本だが、敵の動きが結構イヤらしい部類に入るため、勢い余って衝突死しないよう注意が必要。死んだ瞬間BGMが止まり、「バンバウ~ン」という爆発音だけが響き渡ると一気にモチベーションが下がるのは必至だ。
もう一つ、本作を象徴するものに「潜り」がある。これは、ある特定の場所から地形の裏側に潜れるという画期的なシステムだったが、あまり評価されなかった覚えがある。というのも、プレイヤーが意図しないのに潜ってしまうことが殆どであり、ゲームのテンポを崩す要因になっていたからだ。地形の裏側にいる時は敵の攻撃に対し完全無敵だが、こちらもショットを撃てなくなってしまうので、ハイスコアを狙うプレイヤーにとっては非常にウケが悪かったのである。「頼みもしないのに潜りやがって!!」という怒号が全国から聞こえてきそうな気がしたものだった。
これまで色々述べてきたが、何だかんだ言っても筆者はこのゲームが好きで、これからも不変だと言える。そして、夏のキャラバンのアツさはいつまでも忘れないだろう。雑念に駆られた今の筆者とは違い、曇り無き眼で画面を見据え、純粋にスコアアタックに没頭していた時代があったのは紛れも無い事実なのだ。