ディープブルー・海底神話
対応機種 | |
ハード | PCエンジン |
ジャンル | シューティング |
発売元 | パック・イン・ビデオ |
発売日 | 1989年3月31日 |
神秘の海底世界へようこそ…
潜水艦で美しい海洋世界を戦い抜く本作は、1989年にPCエンジンで登場したシューティングゲーム。
操作系統は8方向移動にショットだけとシンプルなもので、シューティングが苦手な人でもすぐに馴染めることでしょう。
ただし、このゲーム特有の恐るべき難易度に立ち向かえるかどうかは別の話である……。
このゲームを大雑把に説明すると、プレイヤーは魚型潜水艦を操作し、次々と襲い来る魚群を撃破しながら最深部のボスを目指し、全4面をクリアすれば難易度が上昇して1面から再スタートするループゲームである。
これだけ聞くと簡単そうだが、いったいどの辺が難しいのか、かみ砕いて検証することにしましょう。
グラフィックは美しいが…
当時のゲーム雑誌レビュアー達が出した主な評価は、グラフィックの美しさと高難易度の2点。
背景画面が1枚のPCエンジンで多重スクロールを表現していたり、青く澄んだ海とリアルな魚の描写が綺麗とグラフィック面では一定の評価を得る一方、ゲーム難易度には閉口したというのが大半だった。
ゲームが始まると1面からいきなり難しく、大量の魚が一気に押し寄せてくる。このゲームに登場する敵キャラは全て魚類で、リアルさを求めたのか、敵弾は存在せず、攻撃手段は体当たりのみという珍しい仕様である。
そのため敵弾は撃ってこないが、代わりに画面を覆い尽くす程の弾幕ならぬ"魚幕"がプレイヤーに恐怖をもたらす。
更にほとんどの敵のスピードが速く、しかも動きがトリッキーで回避が難しい。
ライフ制なので一撃死はないものの、運悪く魚群に囲まれて連続被弾した時の恐怖感はハンパないぞ。
ステージ途中でBGMが変化したら、凄まじい数の魚が大挙して押し寄せてくるデンジャータイム突入の合図。ただでさえ多い敵が更に増えて画面いっぱいになる様は圧巻で、これを無傷で突破するのはかなり難しい。そして、プレイヤーにとってキビしいのはこれだけではない。
自機スペックの微妙さ
この画面写真をご覧頂きたい。
自機のショットが外れ、このままだと敵の体当たりを喰らう状況なのが分かると思います。
自機ショットはあまり連射が効かず、しかもシングルショットで射軸が直線のみなので、弾幕を張るということができず、外せばピンチという一昔前のシューティングゲームのような現象が起きる。
そして自機の当たり判定のデカさも難しさに拍車をかけており、某レビュアー・岩〇啓〇氏が「心眼で見切るしかない」と評していたのが印象深い。
追い打ちをかけるのがスピードの遅さで、一応スピードアップアイテムはあるものの、ダメージを喰らうとパワーダウンしてすぐに戻るのであまり意味がない。
パワーアップ関連は、時々出てくるマンボウを倒すと、3種類のショット、スピードアップ、ライフ全快のいずれかが出現し、ショットは最高3段階まで強化可能。ダメージを喰らうと1段階ずつパワーダウンする。
連射の効くタイプ(黄)、高威力タイプ(緑)、レーザータイプ(紫)の3種類はどれも微妙な性能で、しかも全て射軸が直線なのは変わらず。3WAYなんかがあったらだいぶマシだっただろうと思う。緑ショットは単発なので逆に弱くなるという罠が潜む。黄か紫がお勧め。
マンボウは画面から消え去るのが早く、敵集団と一緒に現れた場合は回収が困難で見逃さざるを得ないことが多い。
"体力温存"がカギ
前述のとおり自機はライフ制で、目玉(?)の色でおおよその残り体力が判別できる。
体力満タン時は青で、ダメージを受ける毎に青→緑→黄→赤と変化していき、赤の状態で数回喰らうと爆発してゲームオーバーとなる。体力回復アイテムは一応あるが、実はそれよりも重要な要素が「自動回復システム」である。
これは、ショットを撃たずにいると少しずつ体力が回復するという素敵なシステムで、これがなかったらこのゲームの攻略は不可能だっただろう。しばらくすれば目の色の変化で回復していることが分かる。ちなみに、ショットを撃たなければ動いていてもよい。
無理しないのがコツ
自機のスペックはショボいが敵はウジャウジャ、しかも硬く、速く、大量に押し寄せてくるとなると、まともに立ち向かうのはあまり得策ではない。
ではどうすればよいのか。
このゲームを突き詰めると答えは一つ。
無理に戦おうとせず、逃げに徹するのである。
どんなに頑張っても物量で負けてしまうのならば、いっそのこと相手にしない方がよい。
筆者も初めは敵軍とまともに戦っていたが、次第に苦戦するようになり、難度が上がる後半は明らかに不利な状況。そこで発想の転換を図り、逃げ重視で立ち回った結果、1面すらクリアできなかったのが何と4面まで進めた。
結局、画面下でビクビク怯えながら魚群をやり過ごし、ぶつかりそうな奴だけショットで撃破、それ以外は無駄弾を撃たず回復に専念する戦法が非常に有効だった。
こうなると、シューティングなのに弾を撃たない単なる「回避シュー」となってしまうが、このゲームを本気で攻略しようと思ったら、おそらくこれに行き着くと思います。
各面のボスがそれほど強くないのも幸いし、コツを掴んだところで順調にステージが進むようになった筆者。
すわこれで全面クリアか?と一瞬喜んだのも束の間、4面の大量のウニが高速落下してくる場面であえなく轟沈。
ここはどんなに頑張っても突破できませんでした。
やはりそう簡単にはいかなかったようです。合掌。