燃えろ!!プロ野球

対応機種
ハード	ファミリーコンピュータ
ジャンル	スポーツ
開発	トーセ
発売	ジャレコ
発売日	1987年6月26日

本当にバントでホームランを打てます！
ファミコン初期のリアル志向野球。色々な意味で有名なゲームだ。

この頃の野球ゲームといえば任天堂の『ベースボール』ぐらいしかなかったわけで、このゲームの存在は割と貴重だったのである。当時としては選手の挙動がリアルで、場内の演出等もなかなか凝っており、よくぞここまで作ったもんだと感心するぐらいの完成度だった。ただし、完成度が高いといってもグラフィックの頑張り具合のことを指しており、肝心のシステム面は少々首を傾げるデキだ。

まず挙げられるのはテンポ。頻繁に出てくるスコアボードや、バッター交代の度にいちいちボックスに入るシーンで軽くイライラさせられる。リアル路線で行く燃えプロシリーズにあって、この辺の微妙なリアルさのおかげでゲームのテンポが妨げられる場面は少なくない。また、画面内に審判の判定が表示されないので、アウトなのかセーフなのか分からないことが多いのも困り者だ。

画面構成はナイター中継のような感じで、ピッチャーの投球は画面手前から奥に向かって飛んでいく。野球ゲームでは大抵奥から手前に向かって飛んでくるのが主流だが、燃えプロは逆。なので、遠近感が掴みにくく慣れないと苦労する。バッターの移動はできないが、十字キーで打点の位置を決められる。キャッチャーミットの動きに注目して、ジャストミートを狙おう。

このゲームで最も有名な技といえば、バントホームランだろう。筆者も初めはその名を聞いて半信半疑だったが、やってみて一瞬で理解した。本当だったのである。
バントですらホームラン打てるんだから、さぞかし打力は強いんだろうと思ったら、その通りだった。強打者がジャストミートしようものなら、カメラが追いつかないほどの弾丸スピードで場外に消えていくのはかなり爽快だ。結構ホームランが出やすいので、壮絶な打撃戦になることもしばしば。

あと、このゲームの恐ろしいところは選手が実名で出ていること。著作権や使用許諾が曖昧だった時代ならではの産物らしい。今では絶対無理だが…。堂々とやっちゃってた（やらかした）のはある意味凄いメーカーですな、ジャレコは…。