鉄拳
対応機種 | |
ハード | プレイステーション |
ジャンル | 対戦格闘 |
発売元 | ナムコ |
発売日 | 1995年3月31日 |
世界一有名な親子喧嘩
ヘイハチ(三島平八)とカズヤ(三島一八)の壮絶な死闘(親子喧嘩)の末、勝利したのはカズヤだった。横たわるヘイハチの身体をゆっくりと抱き上げたカズヤは、何処かへ歩き始める。
ああ、なんだかんだ言っても親子なんだな。このまま帰って仲直りでハッピーエンドかな…と一瞬思った当時の筆者は若かったのでしょう。まさかこの後、ヘイハチを崖から落とし、不敵な笑みを浮かべるカズヤのアップで終わるとは思いもせず、このエンディングは少なからず反響があったと思います。
この頃の世間では3D対戦格闘ゲームが大ブームで、その主役はセガの『バーチャファイター』。
この作品が世に出た時の衝撃は凄く、驚くほどリアルなアクションを披露する格闘家たちに魅了されたものでした。
そのような中、本作は1994年にアーケードで登場し、その翌年プレイステーションに移植された。
アーケード基盤SYSTEM11と互換性があるプレイステーションでの移植とあって、若干の違いはありつつも、ほぼアーケード版と遜色のない完成度で、発売後間もないプレイステーションの普及に貢献したゲームでした。
本物の格闘技をベースにしているリアル志向のバーチャファイターに比べ、個性豊かで現実離れした技を操る鉄拳のキャラクターは奇抜に見え、当時は「ヘンなゲームが出たな~」と思った記憶があります(勿論ゲームは面白い)。
しかし3Dに強いプレイステーションだけあってグラフィックは綺麗(今見るとショボく感じるかもしれませんが…)で、家庭用ながら秒間60フレームのモーションも再現され、その高い移植度に驚きました。以降も続編がリリースされる度にクオリティーが増していき、現在は最新作『鉄拳7』が絶賛稼働中。今ではバーチャファイターと肩を並べる人気格闘ゲームへと成長しました。
さて、ゲーム内容はすでにレビューされ尽くしていると思いますが、思い出と共に振り返ってみたい。
三島財閥が主催する謎の格闘大会「THE KING OF IRON FIST TOURNAMENT」に世界中から幾多の強者が参戦し、最終的に残った8名の格闘家が壮絶バトルを繰り広げるというのが大まかなストーリー。
登場キャラクターは、冷血御曹司という凄い肩書のカズヤ、柔道ベースの総合格闘家ポール、そのライバルのクマ、ジャガーの覆面レスラー・キング、サイレント・アサシンの異名を持つニーナ、その妹で仲が悪いアンナ、旧ソ連が開発したスーパー殺人ロボットのジャック、ブルース・リーよろしくマーシャルアーツの達人ロウ、ネイティブアメリカンの女拳士ミシェール、からくり宇宙忍者・吉光などなど、とても濃ゆい面々…(他にもいるが省略)。今では信じられないかもしれませんが、当時は結構イロモノ扱いされていたような記憶があります。
8名の中からプレイキャラを選択して試合を進め、最終戦の一つ前で各キャラに対応した中ボスが登場し、それに勝つと最終ボスとしてヘイハチ(三島平八)が登場する流れになる。エンディングは各キャラごとに用意されており、美麗なムービーシーンを拝むことができます。
3Dモデリングのキャラクターが1対1で闘うスタイルはバーチャファイターと同じで、そこに本作独特である四肢に対応する4ボタン+レバーで操作。繰り出す技は大味で派手なものが多く、当時よく真似したものです。(*´Д`)
本作はまだ技数が少なく、人気作となる続編の2に比べると少々地味に感じますが、それでも小気味よく繰り出される技のヒットエフェクトが気持ち良く、なかなかの爽快感。CPU相手をボコボコにすればストレス解消にもってこいの作品だと言えそうです。もちろん2人対戦も楽しめます。
今やると動きが硬くて技のリーチが短く感じ、少しやり難い気がしますが…これは最近の作り込まれた3D格闘の慣れからくる違和感かもしれません。
当時まだ上段・中段・下段の喰らい判定に慣れておらず、スト II の要領でしゃがみガードばかりしているところによく中段技を喰らい、涙目になったものです。(´・ω・`)
今やるとさすがに古さが否めないものの、リアルタイムでやっていた者として、一度は超人気シリーズの原点を体験してほしいですね。