電脳戦機バーチャロン
対応機種 | |
ハード | セガサターン |
ジャンル | 対戦アクション |
発売元 | セガ・エンタープライゼス |
発売日 | 1996年11月29日 |
巨大ロボットを操縦する喜び!
セガAM3研が生み出した、かつてない超高速ロボット対戦アクションゲーム。
このゲームがアーケードに登場したのは1995年。
これまでにあったロボットゲームに対戦要素を色濃くしたような感じで、3D対戦格闘ゲーム界に革命をもたらした作品と言っても決して言いすぎでは無い。
2本のレバーでロボットを操作するのだが、熟練すればプレイヤーの意のままに操縦することができ、上級者になると考えるよりも先に手が動くようになる。操縦桿を握る手と脳が直結しているかのようなトランス感覚を味わえるゲームだ。
ちなみに、機体デザインはガンダムで有名なカトキハジメ氏が手がけている。
これまでにもロボットを操縦して遊ぶゲームはあったが、操縦することそのものを楽しむリアルシミュレーター系がほとんど。しかし本作は、ある程度のリアリティーを確保しつつ、対人戦がもたらす興奮と爽快感に重点を置いていたことで人気を博し、その対戦熱が全国に飛び火した。
その後、各地のゲーセンで大会が行われるようになり、90年代半ばは全国規模で壮絶なバトルが繰り広げられていた時代である。
そして、本作のセガサターン版。
さすがにMODEL2で作られていたアーケード版を完全移植するのは困難だったようだが、懸念されていたコントローラでの操作も特に問題無く、かなりの頑張り具合が感じられる。
ストーリーが緻密でクールな世界観。
説明が難しいので細かいことは言わないが、平たく言えば未来世界で起こる仮想現実戦争である。
プレイヤーはバーチャロイドと呼ばれる人型戦闘兵器に乗り込み、企業間で繰り広げられる代理戦争の一翼を担うのだ。
前述のとおり、このゲームは2本のレバーを使って遊ぶ。
倒した方向にバーチャロイドが移動し、レバーを2本同時に外側()に倒すとジャンプ、逆に内側()に倒すとガード若しくはジャンプキャンセル。親指のボタンを押すとダッシュし、人差し指のトリガーは武器の使用。
右(ライトウェポン)・左(レフトウェポン)・同時押し(センターウェポン)の3種類※がある。
※それぞれRW・LW・CWと表記
これまでにない新感覚の操作系統に戸惑い、「こんなん出来るか!」と投げ出すプレイヤーも少なくなかったが、頑張ってモノにして欲しいぞ。
以下に、全部で8機あるバーチャロイドを出現エリア順に説明しよう。
■テムジン
無限に撃てるビームライフルと広範囲を薙ぎ払うサーベル、持続時間の長いボムを使うバランスの取れた機体で、そのイメージカラーから「ブルーライトニング」の異名を持つ。
汎用性が高く、あらゆる状況下で高いパフォーマンスを発揮する名機。
制作スタッフのエースパイロット(AM三連星)がこの機体を使用し、「悪魔」と呼ばれる程の戦闘力を誇っていたという、別にどうでもいいエピソードもある。
■バイパーII
連射が利くビームマシンガンと追尾性能が高い7WAYミサイル、ホーミングビームを使う高機動タイプ。
後方ダッシュ速度・ジャンプ性能は全機体中トップで、抜群の回避性能を誇るが、逆に耐久力は最低で、数発喰らうだけで瀕死に追い込まれる。
横ダッシュ攻撃すると一回転するのがレイズナーみたいでイカス。
■ドルカス
コンパクトで小さい体躯ながら、ファランクスを始めとした豊富な武装で相手を圧倒する重戦闘バーチャロイド。
火力・装甲共に優秀で安定感がある。
ファイヤーボール、ハンマーは使用状況によって様々な形態を取り、自由度が高い。
近接戦闘も結構強い。
■ベルグドル
遠距離支援型バーチャロイドで、両肩のホーミングミサイルと長射程のナパームが強力。
重心が高いので転倒しやすいのが欠点だが、横移動が意外と速い。
ハンドグレネードとホーミングミサイルを適度にバラまき、遠距離戦に徹すると無類の強さを発揮する。
■バル・バス・バウ
ガンダムのジオングの様なフォルムで、リングレーザーで敵弾を相殺しつつフローティングマインでじわじわと敵機を追い詰める戦法が得意。
腕を切り離し、遠距離から敵機を捕捉し攻撃するCWの使い方がこの機体の明暗を分ける。
扱いが難しいニュータイプ専用バーチャロイド。
■アファームド
白兵戦専用バーチャロイドで、両腕のビームトンファーで近接戦闘を仕掛ける漢機体。
前方ダッシュが鬼のように速く、特にトンファーで斬り込む時の速さは全機体中最速。
装甲も厚く、多少の攻撃には怯まない。
ショットガンとボムは弾切れしやすく、遠距離戦は苦手。
ちなみに筆者の愛機。
■フェイ・イェン
可憐な少女のような姿をした次世代バーチャロイド。
耐久値が50%を切るとハイパーモードが発動し、全身が金色に変化、あらゆる性能が底上げされる。
機動力もあり、高いポテンシャルを持つ。
ハートビームやボウガン等、使う武器も女子っぽい。
■ライデン
一撃必殺の極太レーザーが命の重戦闘兵器。
機動性が低いものの、ハンドバズーカ・グランドボムと火力は他の追随を許さない。
どんなに劣勢でもレーザー一発で戦況をひっくり返す程の破壊力を持つ、ロマン溢れる機体。
相手の行動を読んでレーザーを当てるセンスが必要。
このゲームで対戦を極めようとするならば、必ず習得しなければならないテクニックが幾つか存在する。ジャンプを絡めた各種キャンセル行動・ダッシュキャンセル・回り込みである。
バーチャロイドは攻撃をすると、一瞬だが操作を受け付けなくなる硬直時間が生じる。
その時、タイミング良くジャンプするか、各種攻撃を繰り出せば硬直をキャンセルすることが可能。
上級者になると、この一瞬の硬直を見逃さずに攻撃してくるので、極力隙を無くすように心掛けることが上達への近道となる。
ダッシュキャンセルは、ダッシュ方向と逆にレバーを倒しつつダッシュボタンを押せば急停止するテクニック。これを知らないと無用な隙を作ってしまうので必ず覚えよう。
回り込みは、敵機に近接攻撃を仕掛ける時に、レバーを横に入れつつ行うことによって高速で敵機の周囲を回りながら攻撃するという技で、このゲームの近接戦闘を盛り上げる最大の要素となる。
目視が困難なほど速く、達人同士だと心眼で見極めるレベルになる(笑)。
知らない人が見たら、一体画面の向こうで何が起こっているのだろうという位、壮絶な殴り合いへと発展する。更に、ボムの爆風の中でこれをやると本当に訳が分からなくなるほど凄まじいので、一見の価値ありだ。
他にも細かいテクニックが多数存在し、説明しだすとキリが無いので省略するが、レバー2本でよくぞこれだけのパフォーマンスを発揮出来るものだと感心しきりだった。
このシリーズは続編『電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム』へと続くが、やはりファーストコンタクトが鮮烈だったこの初代の方が想い入れが強い。ゲーセンの閉店時間までやり込んでいた唯一のゲームとして、筆者の胸に今も熱い戦いの記憶が残っている。
ネット対戦が主流になり、あの頃のようにゲーセンが熱気に包まれることが少なくなってしまった。
第一次バーチャロン大戦を戦い抜き、今は退役軍人で余生を過ごす身として、ただ寂しい限りです。
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友人と朝までやってたのを思い出しました。
スティックは使ったことないのですが、熱いゲームですね。
いかに「切るか」しか考えてなかった(笑)。
あの互いが近づいた時の緊張感がよかった。
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こんにちは、ペケペケさん。
本作はレバーでやると楽しいですよ。
近接戦闘が熱い!