未来神話ジャーヴァス
対応機種 | |
ハード | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | アクションRPG |
発売元 | タイトー |
発売日 | 1987年6月30日 |
これをクリアした方、お便り下さい。
タイトー製アクションRPGの問題作。このゲームをクリアするのは並大抵のことではない。
"迷作"と呼ばれる昔のゲームに共通して言えるのは2つ、足の遅さとマップの異様な広さである。この相反する要素から生じる効果は、間違いなくプレイヤーにイライラ感を与えてくれるだろう。
また、本当にクリアできるのか?という素朴な疑問に対して、このゲームをしばらくプレイした後は比較的どうでもよくなり、その後は二度とやらなくなるという伝説のゲームである。筆者も昔、ゲームのレンタル屋なる所から200円くらいで借りてきて一通りプレイしたが、一時間ほどで投げ出した記憶がある。
頑張って攻略しようと気合を入れても、劣悪なゲームシステムがプレイヤーの前に立ちはだかり、全編を通して流れる同じBGMが次第にプレイヤーの頭をトリップさせ、先の展開が見えないという悟りを開いた辺りで静かに電源を切るというプレイヤーが全国で続出したはずである。
説明書によると、ゲームのストーリーは未来の地球で、宇宙船から降り立った主人公が世界の支配者になるべく旅をするというもの。世界には7人の暴君がおり、その全てを倒さなければならない。7つもの大陸を訪れる必要があり、説明書を読む限りでは壮大なスケールを感じさせるが、現実には「この足の遅さで7人も倒すのかよ!!」という軽い絶望感を感じずにはいられない。それでも我慢してプレイを継続する辛抱強いプレイヤーに対しては、更に鬼のようなシステムが襲いかかる。
何しろゲーム開始直後にいきなりフィールドに放り出され、この時点で何をしていいのかさっぱり分からない。苦労して町に辿り着くも、ゲームの目的はおろか自分の現在地すらも分からないという恐ろしさ。しかも居場所だけでなく、金の稼ぎ方や回復方法等の基本的なことすらも分からないという凶悪さもあって、マトモなお子様であれば確実について来れないであろうクオリティーである。下手するとセーブのやり方も分からんぞ!
他にも、イマイチ不明なシステムと言えばレベルの概念が挙げられる。敵を倒すと経験値が得られるのは周知の事実であるが、いくら頑張ってもレベルが上がらない。一体どういうことやねんと調べてみると、どうやら町にあるギルドに寄らないと上がらないようである。自動的に上がらないのね。
ちなみに、ギルドでは3つの職業があり、けんじゅつし・かくとうし・まじゅつしのどれかに就ける。いずれかの職業に就いていないとレベルは絶対に上がらないので注意。
このゲームには「名声値」という非常に重要なパラメータがあり、これが上がると臣下を得られるようになる。臣下を得るには、フィールドでたまに出現する茶色の人に重なって「なかま」コマンドを実行、名声値が高ければ仲間に加わってくれる。どうやら、この臣下の数をどんどん増やさないとゲームが進行しないようである。この事実に気付くまで、筆者は茶色の人間を敵だと思って殺しまくっていた。この有様ではクリアできる訳ないのだが、フィールドにいるキャラは敵だと思うのが普通かと。
( ´Д`) ついでに言うと、町の人間も殺せる。
それと細かいことであるが、かなり画面の端まで行かないとフィールドがスクロールしないので、いきなり敵が目の前に現れて当たってしまうことがしばしば。体力と同時にプレイヤーのやる気も奪われていくので要注意。遅い足で一所懸命歩いた先が行き止まりだった時は、リセットボタンを押す衝動を抑えるのに必死だった。
ギルドでは名声値を得る手段として、試合に参加して勝つ方法があるが、試合の参加料が50と有料である上に、出て来る対戦相手がめちゃ強い。しかも負けると名声値が下がる。
試合時はサイドビューに変わり、十字キーでジャンプはできるが、しゃがんだりガードしたりというのはできないので、敵の飛び道具をかわすのが困難な上に、敵は主人公目掛けて突っ込んでくる。触れると死ぬので全然勝てる気がしないという罠が待ち構えている。
あと最も心が折れそうになったのは、船小屋に入った時。最初のブルガの町から船である島まで行けるのだが、完全に一方通行な上に、小屋に入った瞬間に有無を言わさず強制連行される。元の町に戻ろうともう一度小屋に入っても、なぜか町から遠い海岸に送られる。最初の頃は居場所が分からず、そのまま彷徨い歩いて死んだものだった。頼むから普通に送り届けて下さい…。
攻略するにはかなりキビしい本作だが、頼みの綱の説明書もあまり親切ではなく、金の稼ぎ方すら「自分で考えて」という丸投げ状態。このゲームの制作者がどういう性格だったのかを想像しながらプレイすると面白い…かもしれない。