イース III Wanderers from Ys
対応機種 | |
ハード | PCエンジン CD-ROM2 |
ジャンル | アクションRPG |
発売元 | ハドソン |
発売日 | 1991年3月22日 |
赤毛の冒険家が帰って来た。
日本ファルコムの代表作、Ysシリーズの第三弾が登場。
前作『Ys I・II Ancient Ys Vanished』の続編としてリリースされたアクションRPGで、画面形式が従来のトップビューからサイドビューに変わるという、かなり思い切った仕様変更が行われた意欲作。
一応シリーズ3作目としてナンバリングが付いているものの、イースとの関わりがほとんど無い外伝的な内容で、シリーズ中でも異彩を放つ作品として知られている。
サイドビューになったことによりジャンプが可能となり、攻撃のバリエーションも増えたのが特徴的で、よりアクション性が高いゲームになっている。
PCエンジン版はCD-ROM2の大容量を活かし、キャラクターの主要な会話は声優の演技で表現されているのが売り。ただし画面に字幕が出ず、大事なところを聞き逃すとストーリーが分からなくなってしまうので注意。会話が始まったらテレビの音量を上げよう。
背景が綺麗になり、多重スクロールも再現されているが、PCエンジンは背景画が1枚しかなく、プログラムで遠近感を無理矢理再現しているため、歩くと多少ガクガクする点は仕方ないところか。
全体的に難易度がヌルめであり、謎解きはほぼ皆無。
ストーリーも一本道という初心者に優しいゲーム設計。
詰まる方が難しいくらいである。
レベルさえ上げていればラストまで問題無く辿り着ける難度で、少し本気を出して攻略すればほんの3~4時間で終わってしまう内容なので、若干のボリューム不足感は否めない。
エステリア地方でイースの国を救ったアドル・クリスティンは、冒険で知り合った盗賊ドギと意気投合し、ドギの故郷であるフェルガナ地方へ旅に出ることになった。
レドモントの街に到着した2人は、ティグレーの採石場がモンスターに襲撃される事件が起こっていることを知り、坑内に残されている街の責任者エドガーを救出するために採石場へ乗り込むのであった。
最初に街で情報収集をこなした後、全体マップから戦闘エリアを選択すれば戦いが始まる。
ゲームの流れは基本的に敵を倒して経験値を稼ぎ、レベルを上げながら奥に進んでいけばよい。
アドルの動きは若干ぎこちなく、ジャンプで段差を移動する時はコツが必要。その代わり空中制御は抜群に良く、自由自在に空中を動ける。また、足がかなり速いため、アクション面でストレスを感じることはほとんど無いだろう。
操作方法は、十字キーで移動、でしゃがみ(斜め下でしゃがみ歩き)、I ボタンでジャンプ、II ボタンで攻撃、セレクトボタンでメニューを開く、RUNボタンでアイテム使用となっている。
攻撃はオート連射であり、基本的に押しっ放しでよい。
十字キーを押しながら攻撃で上突き、空中で十字キー(または攻撃ボタン押しっ放し)で下突きを出せる。
レベルが低い序盤はまだアドルが弱く、先に進むにはレベル上げが必要。同じ場所を往復して敵を狩り続けるといい。
体力が減ったら非戦闘エリア(ステージ入口かレドモントの街)まで行けば自動的に回復する。イルバーンズの遺跡なら薬草が無限に取れる場所を拠点にするとよい。
経験値を稼いでいれば、いつの間にかお金も貯まっているはず。ちょくちょくレドモントの街に戻って武具とアイテムを買い揃えていこう。
点在する宝箱を漏らさず回収しながらエリアの奥に進み、特定の場所まで行くとボス戦に突入。
戦いの前に必ずセーブしておくこと。そうすれば死んでもやり直しが可能となる。
ボスはそれぞれ決まった攻略法があるものの、レベルをしっかり上げ、装備とアイテムを揃えて挑めば特に問題ない。
勝てなくてもセーブとロードを駆使して何度か挑戦すればコツが見えてくるはず。
パワーリングを装備してボスに密着し速攻で倒すのが最も楽な攻略法でお勧め。リングパワーは敵を倒すと溜まっていき、255でカンストなのですぐに満杯になる。ボス戦では惜しまず使おう。
ゲームの目的は、かつてフェルガナ地方を恐怖に陥れた悪魔ガルバランを封印すること。
そのためには、各地に安置されている4つの彫像が必要であり、アドルの周囲では彫像を巡る陰謀が取り巻く。
また、ドギの幼馴染みであるチェスター・エレナ兄妹も物語に深く関わっており、アドルの行く先々で立ち塞がるチェスターの真の狙いも、ストーリーが進むにつれて徐々に明らかになって来る。
エレナは可憐そうな印象とは裏腹に、危険な場所へ突っ走って来る無茶ぶりを発揮。
どういう訳か毎回モテモテ(笑)のアドルだが、エレナがアドルをどう思っているのかは不明だ。
ボリュームの少なさが気になる本作だが、王道的なゲーム展開と綺麗なグラフィック、誰でもクリア出来る難易度のお陰で幅広いユーザー層に勧められる作品となっている。
また、ファルコムのサウンドスタッフが奏でる驚異的なBGMにも注目したい。クリアした後はCDプレーヤー※でサントラ代わりにもなるというスグれものだ。
※ゲームデータが入っている2曲目は再生しないよう注意!