ラストハルマゲドン

ラストハルマゲドン
対応機種PCE_cdromfc
ハードPCエンジン CD-ROM2
ジャンルRPG
発売元ブレイングレイ
発売日1990年8月31日

「獲物がいたぜ!」
人類が滅びた星で、モンスターとエイリアンが覇権を巡って戦う異色のRPG。

開発はブレイングレイで、カルトな人気を誇ったパソコン版をPCエンジンに移植したもの。CD-ROMを採用し、音声とアニメーションを駆使したビジュアルシーンで物語が進むタイプのRPGである。

人類が滅びた星を舞台に、永きに渡り地中に君臨していた魔族と、天空からやって来たエイリアンが地表の覇権を争う、真の"最終戦争"が静かに幕を開ける……。

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人類が滅び、虫ケラ一匹いない荒涼とした地表をバックに、暗~いナレーションによってストーリーが淡々と進み、のっけから始まる魔族とエイリアンの壮絶な戦い…。

馴れ親しんだ勇者系RPGとは明らかに一線を画す作品であり、ドラクエのように王様に会い、町で情報収集し、仲間を集めてドラゴン退治…というテイストではないため、免疫がない人には少々キツイかもしれない。間違ってもお姉さんとか萌え系要素は一切無く、出て来るのはグロい連中ばかり。それ系が好きな人には堪らない作品だろう。

ラストハルマゲドン
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なにしろまず人間が一切登場しない。
滅んでいるのだから当然である。
そのため、会話するという行為自体がない。
それに主人公はオークやゴブリンといった魔族であり、人間ではない。
お金を貯めてお店で買い物とかそういう要素もない。アイテムは全て自作である。

彼らの目的は一つ、邪魔者(エイリアン)を排除し、地表の王となることである。
ただひたすらに繰り返される異形のモノ同士の戦い……人によってはかなり不毛に映ることだろう(笑)。

そんなマニアックな設定がPCユーザーに好評で、リリースされたのが世紀末だったこともあり話題となった。ストーリーに隠された真実を読み解くうちに、人類がなぜ滅びたのかを考えさせられるようになり、エンディングでは衝撃の結末が展開された。
ちなみに本作は元祖パソコン版、PCエンジン版の他に、知名度は低いがファミコン版も存在する。

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人類とはなんだったのか
ラストハルマゲドン
人類の歴史が語られる…

ゲームは魔族が地表に出た直後から始まり、数々の謎を解きながらフィールドを探索する。
ランダムエンカウント方式でエイリアンとの戦闘があり、経験値を積むことでレベルが上がっていく。
戦闘はコマンド選択のターン制で、このあたりは既存のRPGと同様。
ただ、本作のパーティー編成成長システムは独特であり、前もって把握しておく必要がある。

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フィールドを歩くと敵と遭遇する
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敵は一度にたくさん出ることが多い

まずはパーティーについて。
魔族は全部で12名おり、昼・夜・サルバンの破砕日の3班に別れて行動する。
本作は時間の概念があり、10時から22時は昼、22時から10時は夜、月の始め(1日)はサルバンの破砕日となっており、時間が来ると自動的にパーティーを交代する仕組みになっている。
パソコン版ではプレイヤーが自由に編成出来たが、PCエンジン版は完全固定である。
以下に、選ばれし魔族の代表12名の特徴を記す。

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魔族の選抜会議の様子
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選ばれし12名の勇者
昼パーティー(10時~22時)
魔族名特徴
オーク手先の器用さを生かして武器と防具を作成する能力を持つヒューマノイド系。火に弱い。
大抵の武器防具は装備可能で、最強の武器・アゾット剣も使用できる。
スケルトン肉体を持たず骨だけの身体ならではの特徴として、毒を一切受けないという能力を持つ。
アイテムを作成することも可能で、水に弱い。武器防具は装備可能。
ジャイアントスネーク体内に毒の免疫を持っているので毒を喰らわない。また、水に強いという特性もある。
武器防具を装備出来ず特殊技能も持たないため、序盤は苦労する。
ハーピィ上半身が人間の女性で下半身が鳥という半獣半人。背中にある大きな翼で飛行可能。
その見かけとは裏腹に、性格は卑劣で残忍。武器防具は装備不可。
夜パーティー(22時~10時)
魔族名特徴
ガーゴイル大きな翼で空を飛ぶことが出来る。また知能が高く、解読不能の文字が読める知的キャラ。
アイテム作成能力も持っている。防具は装備出来ないが、武器なら少し持てる。
ゴブリン武器防具作成能力、火に弱いとオークに似た能力を有する。アゾット剣も使える。
好奇心が強く、特定の場面ではゴブリンがいないとイベントが進行しない。
サイクロプス 一つ目の巨人で、怪力と千里眼が自慢。種類は少ないが武器・防具も装備可能。
一瞬で魔界に帰れるという特殊技能も持っている。
スライム液体状の身体ゆえ装備は出来ないが、身体的特徴を生かした武器防御、麻痺無効の能力を持つ。
スライムと合体すると見た目が醜悪になるため敬遠されがち(笑)。火に弱い。
サルバンの破砕日パーティー(毎月1日のみ)
魔族名特徴
ゴーレム石の巨人。当然ながら石化しない。スライム同様、敵の武器防御能力も有する。
武器は持てるが素手の方が強い。意外と知的で的確な意見を述べる。欠点は水に弱い。
ミノタウロス頭が牛の半獣半人。敵をねじ伏せる怪力と、武具を作成する手先の器用さを併せ持つ。
目が良く、千里眼も使いこなす。斧系統の武器を好み、扱いに長ける。
ドラゴンニュート魔族の中で唯一、火に強いというヒューマンタイプのドラゴン。飛行も可能。
武器防具は装備出来ないが、各種ブレスが得意。口が悪くて荒っぽい。
アンドロ・スフィンクス 美しい人間の女性の姿をした、本作では唯一まとも?な外見を持つ魔族。
一瞬で魔界に帰る能力とアイテム作成能力を持つ。知能が高く自己顕示欲の塊のような性格。

ちなみに「サルバンの破砕日」とは、月に一度訪れる時間の流れが非常に遅い日のことで、毎月1日が該当。異常気象のために起こる現象といわれているが、なぜ起こるのかは解明されておらず、その謎はゲームを進めるうちに明らかになってくる。

魔族は一定のレベルになると姿が変化していき、レベル17と34で合体が出来る。
正確には、別の魔族の細胞を取り入れることで、相手が持つ特殊能力を受け継ぐというシステムである。
この"合体"は重要なシステムだが、一度合体すると元に戻れないので、レベルが17か34に上がる寸前でセーブしておき、合体後に気に入らなければやり直そう。一応合体時に相手が持つ特殊能力が表示されるので、自分が持っていない能力が手に入るようにするのが基本。

他には、なるべくヒューマノイドタイプ(オーク、ゴブリン、スケルトン等)と合体するとよい。
理由は、武器防具が装備可能になるからである。

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例えば、ガーゴイルは防具を装備出来ないが、オークと合体することにより装備可能となる。
状態異常攻撃を防ぐウィザードマントやアゾット剣※が使えるようになるのは非常に魅力的。
これは意外と見落としがちな要素なので忘れないように。

※アゾット剣は、オークとゴブリンのみ戦闘中に自動で使用されます。武器ではなく共有アイテム扱いであり、そもそも装備することができないため、合体の有無は関係ありません。訂正してお詫びします。(;´・ω・)

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見た目がどんどん変わっていく魔族たち
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全体攻撃が使えると便利

ゲームの攻略としては、序盤である程度レベルを上げてから動き出すのがお勧め。スタート地点から少し西に行った所にある宇宙船にはボスがいるが、このボスとは何回でも戦えるので、出来ればここで2回合体(レベル34)まで済ませてしまうと後が楽になる。※動画参照

CD-ROMの宿命か、読み込みに多少の時間が掛かるうえ、読み取りミスでバグったりすることもあるため、何度も戦闘を繰り返すのは苦痛かもしれないが、先に苦労しておくと後が楽になるので頑張って頂きたい(これでも本作の読み込みは速い方だと思う)。

特に順番があまり廻って来ないサルバンの破砕日パーティーは成長が遅れがちになるので、意識して鍛えておかないと敵が強い中盤エリアで急に交代したら大ピンチとなってしまう。

合体後の姿とステータスはモンスター図鑑で確認可能で、どの魔族がどの魔族と合体すればどうなる、という情報まで分かるので、前もって目指すべき最終形態に狙いを定めておけば合体時に迷わなくて済む。もちろん合体後の見た目で選ぶのもアリだが、なるべくなら特殊能力がまんべんなく手に入るよう、パーティー全体のバランスを考えながら合体計画を練ることが望ましい。

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合体後を含め、全ての魔族を閲覧可能

また、レベルを上げる際は防御コマンドや魔法も選択し、きちんと鍛えておくこと。というのも、パラメータ毎にレベルが設定されており、使わないと強くならないからだ。
前述のボス戦で上記コマンドを使いまくると防御技能や上級魔法を覚えていくのでどんどん鍛えよう。

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魔界の入口
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見た目は怖いが優しい奴らだ

戦闘では一度にたくさんの敵が出現する上に体力が多く、やや高めのエンカウント率もあり戦闘に割かれる時間は多め。中盤の戻らずの塔辺りから迷路が複雑になり難易度が上昇するので、序盤のレベル上げは必須といっていい。逆に言うと十分鍛えていればほとんどダメージを喰らわなくなり、かなり有利に戦闘を捌けるようになる。全体攻撃が可能な特殊攻撃を持つ魔族がいる場合はそれを連発し、少しでも早く戦闘を終わらせるよう工夫しよう。

スタート直後から108枚ある謎の石版巡りに始まり、戻らずの塔を経て魔族一行は新境地へ旅立つ。
人間が遺した施設、そしてファンタジーランド……。

何らかの意図により語られる人類の歴史。
やがて抱く魔族の疑問、そして変化。

なぜ人類は滅びたのか?
我ら魔族はなぜ存在するのか?
エイリアンは何者なのか?
……全ての答えは、ラストハルマゲドンの果てにある。

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ラストハルマゲドン” に対して8件のコメントがあります。

  1. ゆうきかるま より:

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    PASS: 7c9bd2aa21c86b00c9c0c44fc13f9e47
    これ当時めっちゃやりこんでましたw(・ω・)w
    いやぁあの頃は若かったからできたんだと思いますねぇ・・・w
    結構忍耐力が必要な内容だと記憶してましたが記事をみる限りでは間違いではなさそうですねw
    でも魔系統もの大好きなんですよね(・ω・`)
    BGMなつかしすwww
    お疲れ様です!

  2. Wildcat より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    こんばんは、ゆうきかるまさん。
    読み込みが多くて結構バグも多かった記憶があります。
    右を向いても左を向いても気色悪い連中ばかり(笑)で、好みが分かれそうなゲームでした。
    BGMは名曲が多いと思います。グラフィックも秀逸(゜∀゜)

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    良かったですね。名作ですよラストハルマゲドンは。
    PC版とはだいぶグラフィックや音楽が違うようですね。PC版の音楽もかなり良いですよ。
    (実はサントラも中古で手に入れたりしてます)
    防御を早めにあげておくと結構楽でした。(とは言っても成長させること自体が苦労ですが‘...)
    リメイク版でも出れば是非買いたい一作です。

  4. Wildcat より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    そうですね、リメイク版があればまたやってみたい作品です。
    PCエンジン版はPC版に比べるとかなり簡略化された面があり、ライトユーザー向けだったのかなと
    思います。音楽はCD生音源でかなり良かったですね。密かに名曲揃いですよ。

  5. 電車男。 より:

    SECRET: 0
    PASS: 49d17bb358b80e391d2d6bd10831edc7
    勿論ラストハルマゲドンは何だか女神転生シリーズを連想するよ。

  6. tatu より:

    SECRET: 0
    PASS: 2492eda306d5875ab4941501435acbdd
    >例えば、ガーゴイルは防具を装備出来ないが、オークと合体することにより装備可能となる。
    >状態異常攻撃を防ぐウィザードマントやアゾット剣が使えるようになるのは非常に魅力的。
    >これは意外と見落としがちな要素なので忘れないように。
    アゾット剣に関してはオークとゴブリンしか反映されなかったかと
    他のキャラがオークやゴブリンと合体してもアゾット剣の攻撃力は上乗せされないと思います

  7. WildCat より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    tatu様
    アゾット剣については仰るとおり、オークとゴブリンのみ戦闘中に自動で使用するようになっており、
    正確には、武器ではなく共有アイテム扱いとなっています。そのため、合体の有無は関係なく、アゾット剣が
    使えるのはオークとゴブリンだけです。記事の文言も訂正してお詫びします。(;´Д`)
    実際にプレイして確認したところ、ご指摘のとおりでした。ありがとうございました!
    アゾット剣を通常の武器と勘違いしていたようです……(;´・ω・) 確認不足で失礼しました。

  8. ぺりーぬ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    懐かしいですね!
     一年くらいかかってクリアしました。
     本当に感動を覚えました。
     今でもサントラを愛聴しております。

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