モンスターハンターポータブル3rd HD Ver.
対応機種 | |
ハード | プレイステーション3 |
ジャンル | アクション |
発売元 | カプコン |
発売日 | 2011年8月25日 |
携帯機から逆移植。
PSPの超人気アクションゲームがPS3に移植。
映像がHDになってパワーアップした。
もはや説明不要の人気作へと成長したモンスターハンターシリーズ(以下、MH)。
最初にPS2で出た頃は比較的地味だった(失礼)が、口コミの評判で徐々に売れ始め、芸能界や情報誌で大きく取り上げられた頃から爆発的人気となり、PSPにも移植された。
MHに関わる著名人で最も有名なのは、お笑い芸人のアメリカザリガニと次長課長の井上だろう。
元々はPS2のゲームだったが、どちらかと言うとPSP版の方が人気が高い(と思う)。その理由は、手軽に、場所を問わず、最大4人まで通信プレイが出来るという点だろう。
そんなPSP版も気が付けば3rdまで出ていたんだから驚きである(筆者が遅れているだけ)。
ちなみに筆者のMH歴は、初代、G、2(ドス)、フロンティア(PC)、2ndG(PSP)で、最もやり込んだのは2(ドス)でした。
破竹の勢いで世間に浸透する「MH」。
そして需要があったのか定かではないが、PS3でモンスターハンターポータブル3rd HD Ver.が登場。PS3版となった本作の特徴を簡単に述べると以下のとおりである。
- 映像がHD化され美しくなり、更に3Dにも対応(テレビが3Dに対応している必要がある)
- PS3版とPSP版でデータ共有が可能
- アドホック・パーティを介してオンラインプレイが可能
- コントローラを使用することにより操作性が向上した
- 歴代のムービーが観られる映像特典が多数追加
本作はPSP版「ポータブル3rd」をPS3に逆移植したものだが、単なる移植ではなく、PS3ならではの恩恵に与った幾つかの改良点が備わっている。その最たるものが、映像のHD化である。
元々グラフィックの美しさには定評があったが、HD化で更に美しくなった。
背景の美しさはもとより、ハンター自慢の装備がクッキリと見えるのはやはり嬉しいものがある。
ただし、本作をプレイする上で注意したいのは、土台はあくまで「ポータブル3rd」である点だ。
確かにグラフィックは美しくなったものの、プレイ感覚やユーザーインターフェイス等はPSP版のままである。
筆者が本作「HD Ver.」をプレイしてみて最初に思った感想は、「ああ、そのままだ……」だった。
セーブ中は「記録メディア」という表現のままだし、操作方法もPSP版に準拠している点も全く同様である。だからといって悪い訳ではないが、せっかくPS3に移植するのならばもう少し力を入れて欲しかったのは贅沢だろうか。
まあ何だかんだ言っても買っちゃってるので(笑)、今回も筆者なりにレビューしてみたいと思います。
直近のPSP版「2ndG」と比較しつつ、ゲームをしてみて思ったこと、感じたことを素直に述べていきたい。まずは一通りプレイしてみてのざっとした五つ星評価は以下のとおりです。
※あくまで目安です。筆者が勝手につけた点であり、もちろん人によって評価が異なります。
モンスターハンターポータブル3rd HD Ver. レビュー
項目 | 評価 | 内容 |
グラフィック | ★★★★ | 映像の美しさ、視覚に訴えるエンターテイメント性 |
サウンド | ★★★☆ | 音楽・効果音のクオリティ、耳に残る印象 |
操作性 | ★★★ | キーレスポンス、コンフィグのカスタマイズ性、分かりやすさ |
インターフェイス | ★★☆ | システム環境の充実、ロード速度、全体的な完成度 |
熱中度 | ★★★★ | やり込み要素、持続性の高さ |
総合評価 | ★★★☆ | 3.5点 |
グラフィックのリマスターが最近流行っているのか、PSP版をHD化してテレビの大画面でプレイしよう!というのがコンセプトだと思うが、最初に感じたのはやはり「そのまま」感だ。例えると、昔のDVD映画をブルーレイで焼き直したような感じで、PSPとテレビをHDMIコードで繋いでテレビに映像出力している感覚にも近い。
家でゆっくりプレイしたい人には大変有難い移植だろうが、HDにこだわらないのであれば、それほど「HD Ver.」に魅力を感じないかもしれない。美しい映像とコントローラでプレイするか、手軽なPSPでプレイするか、その辺は個人の好み次第だろう。
次に最も気になったのは操作系統。
本作はPS3版なので、当然PS3専用のコントローラを使用してプレイする訳だが、操作系統はあくまでもPSP版と同じ。攻撃はボタンで行い、L2・R2は通信プレイ時に使用するのみで、基本的にゲーム中は使用しない。筆者の予想だが、MHのプレイヤーは大きく2つのグループに分けられると思う。"据え置き機ユーザー"と"PSPユーザー"である。
何が言いたいのかというと、据え置き機でやり込んだ諸兄にはこの「PSP仕様」がやりにくいと感じる可能性があるのだ(その逆もあるだろう)。
個人的には、せっかくPS3のコントローラでやれるんだから、操作を従来の据え置き機仕様とPSP仕様に切り替えられるとなお良かった気がした。というか、コンフィグで設定出来るものだと思っていた。
MHは元々PS2のゲームで、コントローラでの操作が前提で、且つボタンをフルに使う仕様だったことから、オフライン時には空いているL2・R2・R3ボタンが勿体ないな~と感じる訳である。
筆者はどちらかと言うと据え置き機ユーザーで、いまだに攻撃する時は右アナログスティックを倒してしまうという症状が治っていない…。(´・ω・`) ← 早く慣れろよ!
しかし本作はコントローラでやれるので、操作性が大きく向上している点は好印象でした。
右アナログスティックと言えば、本作ではこれまで不評(?)だった視点変更ボタンに割り当てられており、やりにくかった視点操作が若干やりやすくなった。とはいえ、十字キーでの視点操作も従来通りなので、死ぬほどやり込んだMH猛者であれば、左人差し指で十時キーを操作するか、右親指で左アナログスティックを操作しつつ左手で視点操作なんてことは造作も無いことだろう。これについても、コンフィグで変更出来ると良かったなぁ~と少し感じた。
操作系統については個人的な不満も確かにあるが、そもそも本作は「PSP版の移植」であることから、据え置き機仕様が云々…と述べるのはお門違いかもしれないということを付け加えておきます。
他に、本作をプレイするうちにかなり気になったのがロード時間の長さだ。
エリア間移動時やユクモ村内でのデータ処理時の読み込み時間が少し長い気がして、あまり快適とは言えないものがあった。本作はPS3で、しかも仕様上PS3にインストールする訳であり、ロード時間なんてさぞかし早いんだろうなと勝手に思っていたが、意外にも遅く、特にエリア間を移動する時の読み込みは、2ndGに比べると長い。
試しにストップウォッチで計ってみたら、2ndG(メディアインストール済)は約0.5秒、本作は約3.0秒だった。PSP版3rdをやったことがないのでそれとの比較は出来ないが、少なくとも前作より遅いのは確かである。
さすがにこれはどういうことやねんと言わざるを得ない(それでも初代の頃に比べたら随分早くなったが)。もしかするとPS3でPSP版をエミュレーションしている関係なのかとも思ったが、せっかくのPS3なのでもう少し何とかならなかったのだろうか…。カプコンの株主である筆者ならそれくらいの意見を言う権利はあるはずだ!(4株だけど)
ゲームの内容に関しては、今更細かく説明する必要は無いと思うので省略。
3rdでは新たな狩場や新モンスターが大量追加され、新鮮な気持ちで挑めるのでやはり熱中度が高い。
完成度の高さは言わずもがな、今回も楽しく遊べる出来になっていて筆者としては満足でした。
後はPS3で新作か続編が出てくれるのを祈るばかり……。
PSP版も面白いが、やはり据え置き機で、しかも鬼のようなグラフィックとシステムで昔のMHみたいなガチガチハードなものをやりたいと思うのは筆者だけではないはず。
当初PS3で出るはずだった3(トライ)が突然Wiiに転向した時の精神的ダメージがいまだボディーブローのように効いているので、是非ともPS3での完全最新作を願ってやまない。
※先日、3(トライ)G、3rdG、4の発表があったが、いずれも携帯機だった。……さすがに乱発気味(?) (´д`)
最後にオマケでプレイの一幕を掲載。
今回の新モンスター「青熊獣アオアシラ」は熊っぽくてお気に入りです。
※画質が極めて悪いですがご容赦下さい