北斗無双
対応機種 | |
ハード | プレイステーション3 |
ジャンル | アクション |
発売元 | コーエー |
発売日 | 2010年3月25日 |
次世代仕様の北斗キャラに注目。
ゴールデンウィーク特別企画「北斗祭り」。
最終章は出来立て最新作の無双です。
皆さんこんにちうわらば!!(あいさつでもなんでもない)
北斗祭りのラストを飾るのは、最新作「北斗無双」。
コーエーの看板ブランド「無双」シリーズと、説明不要の超人気漫画「北斗の拳」が奇跡の融合を果たすとあって、ゲーマー諸氏のみならず北斗世代をも巻き込んで一大プロモーションが展開されたのはご存知のとおり。
無双シリーズも北斗の拳も両方好きな筆者は迷わずゲットし、世紀末の荒野で戦いに明け暮れる日々がしばし続くことになるのであった…。
そういう訳で、本作を一通りプレイしたところで筆者なりにレビューしてみたいと思います。
(尚、記事内のボタン表記等はPS3版のものです。)
そもそも北斗の拳は、かつて週刊少年ジャンプに連載されていた人気漫画で、歴史的には「こち亀」並に古い漫画である。漫画の後はアニメ化もされて人気に拍車が掛かり、学校の友達に秘孔を突いて「お前はもう死んでいる」の名台詞を真似するお子様も多かった。
過去にファミコン等で数作品が出ているが、最新の次世代機で開発されたのは今回が初。
当時リアルタイムで漫画を読んでいた世代には懐かしいだろうし、知らない世代のゲーマーにも是非触れてもらいたい。
本作は北斗の拳のゲームであると同時に、無双の血も受け継いでいるので、当然のように大量の雑魚が出て来る。いつものようにバッサバッサと倒していくのが醍醐味だが、従来の無双作品と比べると数は少し控えめな感じ。
おまけに、やたらとフットワークが良かった三國武将と違い、北斗キャラのモーションは若干モッサリ気味で、一撃の重さを重視している感じである。
あまり北斗キャラがチョコマカ動く様は似合わない気もするし、筆者はこれくらいで丁度良いと感じたが、この辺のバランスはコーエーも相当悩んだはずである。原作の迫力を重視したい心理と、スピーディーさを求めるユーザー心理の狭間で揺れ動くコーエーの心労をお察しします。
次世代機だけありグラフィックはとても美しく、キャラの造形も、原作者である原哲夫先生の監修が入っているだけありかなりリアル。元が伝説的な人気を誇る漫画だけに、スタッフの気遣いも相当なものだったであろうことは想像に難くない。
オープニングの超リアルなケンシロウの肉体と、モビルスーツの様に歩くラオウの迫力に注目してほしい。
それと、既に多方面で言われていることだが、本作はアニメと違い全員声優が変わっている。
これは賛否両論でしょうが、個人的にはあまり気にならなかった。
さすがに放映から年月が経っているし、声優も人間なのでいつかは必ず変わる。
筆者の好きなシンの声も変わっていて正直残念なものの、これも悲しき殉星たる運命(さだめ)か。
想い入れが強い北斗ファン諸氏にとっては大きな反響があったに違いないでしょうが、プロの声優による演技はやはり素晴らしいので個人的には満足でした。
この様に、原作アニメと比較するとどうしても違いはあるもので、その辺を言い出すとキリが無いため、極力純粋にゲームの中身をレビューするようにしたい。
次からは、もう少し具体的に紹介していきたいと思います。
ゲームモードは多数あり、メインとなるのは「伝説編」と「幻闘編」。
伝説編は、主にケンシロウの視点で物語が進むモードで、原作初期からラオウとの闘いまでを描いたストーリーモード。全14章(ケンシロウの場合)から成り、それぞれ章の最後には強敵(とも)との闘いが待ち受けている。
各章の間にはナレーターによる物語の解説と、非常に美しい実機ムービーが挿入され、ゲームを盛り上げる。
いっぽう幻闘編は、シン、マミヤ、ジャギ等の人気キャラを操作し、本編とは違う「もしも」の世界を体験出来る。
やることは、広大なマップに点在する拠点を制圧していき、最後に出現するボスを倒せばクリアという、従来の無双とほぼ同じものとなっている。制限時間の存在や、ハードロック調の音楽まで無双に似ており、戦況メッセージが随時挿入されるところなんかを見ると「ああ、無双だ…」と思わず感じた御仁も多いでしょう(笑)。
三國無双・戦国無双を体験済みの筆者も違和感が全く感じられなかった。ガンダム無双はやったこと無いですが…。
本モードの魅力である、原作では描かれなかった準レギュラー達が織り成す人間模様を堪能しよう。
筆者が好きだったのはジャギとアミバの掛け合いで、味方の援軍としてババァが出て来たのは楽しかった(笑)。
ここで、ゲームの要となるアクション面を解説。
操作はアナログレバーによる移動、□で通常攻撃、△でチャージ攻撃、×でジャンプ、○で伝承奥義、というのが基本(初期設定)。操作感覚は従来の無双とほぼ同じで、プレイ経験がある人はすぐに馴染めると思う。
伝承奥義は無双乱舞みたいなものと考えて差し支え無い。
他はR1で固有体術、R2で投げ技、L1でガード(カメラが正面を向く。重要!)、L2で闘気覚醒となっている。
全て重要なアクションなので使いこなせるよう要練習。
闘気覚醒は、一定時間キャラの攻撃が強くなる切り札で、覚醒中に伝承奥義を使うと真・伝承奥義が発動する。雑魚だと即死する非常に強力な技だが、使うと覚醒効果が終わってしまうので、効果時間が切れる直前に使うといい。
闘気覚醒は闘気ゲージを全て消費してしまうため、満タン時に使うと少々勿体無い。
ある程度伝承奥義を放って、ゲージ残が少なくなった時に発動した方が効率が良いぞ。
次に、敵キャラの主な特徴を紹介。
「ヒャッハー」と奇声を発しながら群がって来る雑魚は数が非常に多いものの、体力が少なくて弱いのであまり問題は無い。とはいえ、一応注意したいのが飛び道具を使うヤツ。
遠くからボウガンを撃って来るわ、火炎瓶を大量に投げて来るわ、汚物は消毒とばかりに火炎放射して来るヤツまでいて非常に鬱陶しいので、見かけたら真っ先に倒すことを勧める。高台にいて攻撃が届かない場合は、物を投げるか、飛び道具をジャストガードして跳ね返してあげよう。
後半になると雑魚といえども強くなり、数も増える上に中ボスが複数同時に来たりするので苦戦は免れない。
面倒な時は挑発(L1+L3)で一箇所にまとめて伝承奥義で殲滅すると楽。
続いて、最もウザイのが雑魚より一回り大きい中ボス。
スーパーアーマーでひるむこと無く攻撃して来る厄介なヤツで、ガードも堅い強敵。
タイプ別ではそれぞれデブ、ノッポ、トゲトゲ、巨漢タイプがおり、トゲトゲタイプは攻撃すると逆にダメージを喰らってしまうので、棒で殴るか飛び道具で倒そう。
基本的に数発殴って攻撃されそうになったら離れるを繰り返し、アーマーゲージが無くなったら一気に連続攻撃を叩き込むのが有効。ウザイ時は伝承奥義で。
ステージの最後に待ち構える強敵(とも)は当然ながら強く、攻撃と回避のメリハリをつけないと敗北必至。まずは動きや攻撃をよく観察し、きっちりと回避することが大事。
ダウンさせたら、起き上がりに背後から攻撃を重ねると割とよく当たるのでお勧め。
上手くいけばそのままハメられる場合が多い。
相手が闘気覚醒を使って来たら無理をせず、効果が切れるまで回避に専念するといい。
伝承奥義はぶっ放しで使うよりも、連続攻撃の締めで使う方がダメージも稼げてお得。
秘孔状態にさせていると尚良し。
強敵(とも)は体力をゼロにするだけでは倒せず、無双闘舞という技でトドメを刺す必要があり、画面に表示されるボタンを時間内に押していき、全て成功させることで初めて勝利となる。
システムそのものは面白いが、1つでも間違えると失敗となるばかりか強敵(とも)の体力が大幅に回復してしまうのがキツイ。この辺の仕様は、アクションの苦手な人はかなり苦労すると思われる。
手先が少し不自由な筆者にとっても、これ(無双闘舞)はかなりツラかった(なんとか気合でクリアしたが)。
せめて、入力に失敗してもクリア成績に影響する程度にしてほしかったのが正直なところ。(´・ω・`)
敵を倒すとカルマ(業)が得られ、一定数溜まると技能ポイントが増える。
技能ポイントはキャラの成長に必要なもので、各面をクリアすることでも得られる。
リザルト時の成績(被ダメージや撃破数)次第ではより多くのポイントをゲット出来るので、慣れてきたら意識してみよう。そして、ポイントの振り分けは「経絡究明図」という画面で行う。
キャラクターの体内に散りばめられた各スキルを、修得するのに定められたポイント数を消費しながら徐々に開放していく様は、まさに経絡究明という名のとおりで面白い。
ちなみに得られる技能ポイントに上限は無く、やり込めば全てのスキルを開放出来るようになっているので、戦国無双の時のように効率良くポイントを稼ぐ努力を払う必要は無い。
お気に入りのキャラを気の済むまで鍛えよう。
操作キャラは「北斗タイプ」「南斗タイプ」「特殊タイプ」の3種類があり、それぞれアクションに違いがある。
■北斗タイプ:ケンシロウ、トキ、ラオウ
北斗神拳を修める拳士で、一定の確率で敵を秘孔状態にさせられるのが特徴。
攻守バランスが取れていて扱いやすい。ラオウはほぼ無敵と言っていい強さ。
■南斗タイプ:レイ、シン、サウザー
見切り攻撃でスピーディーに戦う華麗なる南斗聖拳の拳士。
潜在能力を引き出すにはテクニックが要るが、熟練するとかなりの強さを発揮する。
■特殊タイプ:マミヤ、ジャギ
各種飛び道具で戦うキャラ。R1での射撃はFPSみたいで、ちょっと違った感覚でプレイ出来る。
飛び道具の性能を正しく理解して使いこなすと非常に強い。ジャギ様のバズーカは必見。
北斗神拳でトドメを刺すと身体が膨れて爆発し、南斗聖拳だと細切れになって死ぬところがちゃんと再現されていてファンには嬉しい。原作特有のバイオレンスさが結構出ており、血がドバーッと出るとこなんか、コーエーにしては意外な印象(失礼)。
スタッフの意気込みと頑張り具合が感じられる一幕だ。
これからも攻めのゲームづくりを進めてほしいと思います。
本作で操作出来るのは上記8人で、ジード、牙大王、アミバ、ウイグル獄長、妖星のユダ、山のフドウ、雲のジュウザ、仁星のシュウ、天狼星のリュウガはNPC専用で残念ながら操作出来ない。
キャラが少ないと思う人もいるかもしれないが、次世代機デビュー作としては、これくらいが丁度良いと個人的に思った。
まとめると、総合的に良く出来たゲームで筆者的には大満足です。ただ欲を言えば、「愛をとりもどせ!!」のBGMはボーカル入りの原曲をそのまま使用してほしかった。(;´∀`)
コーエーのことだから次回作(猛将伝?)が出ると思うが、より多くのユーザーの声に耳を傾け、より良い「北斗の拳のゲーム」に仕上げていって頂けるよう期待すると共に、北斗の拳を愛する者の一人として、本シリーズの今後の動向に注目したい。
最後に、参考になるか分からないですが筆者のプレイ動画を載せておきます。
中身はヘッポコだけどゲームの雰囲気を感じ取って頂ければ幸いです。