ディーヴァ STORY6 ナーサティアの玉座
対応機種 | |
ハード | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | シミュレーション |
発売元 | 東芝EMI |
発売日 | 1986年12月5日 |
スペースオペラの決定版!
7つの機種(主にPC版)で異なるストーリーが展開された、伝説のウォー・シミュレーション。
ディーヴァとは?
星間国家を舞台とする広大な宇宙、ヒンドゥー神話とスペースオペラを融合させたユニークな設定、シューティング形式の惑星戦並びに艦隊戦によるシミュレーションパートを盛り込んだゲーム性と、既存のゲームとは一線を画す作風で知られ、更に他機種間で7つのエピソードが同時に公開されるという当時としてはかなり斬新な試みが成されていたゲームである。
主にPCで展開された7機種の主人公は全員異なり、それぞれが物語に複雑に絡んでいた。
BGMスタッフはT.M.Revolutionの作曲で有名な浅倉大介氏が担当し、メインテーマ曲以外は7機種共通という特徴がある。そして、最大の売りである「ウォーデータ」というパスワードを用いて、7機種間で援軍という形で参戦可能というマルチプラットフォームを実現。
このように、当時これだけ壮大なプロジェクトで展開されたゲームは珍しく、主にPCユーザーを熱狂させた伝説の作品である。7機種それぞれの題目と主人公は以下のとおりとなっている。
STORY | 副題 | 主人公 | 対応機種 |
1 | ヴリトラの炎 | ルシャナ・パティ | PC-8801SR |
2 | ドゥルガーの記憶 | ア・ミターヴァ | FM-77AV |
3 | ニルヴァーナの試練 | アモーガ・シッディ | X1 |
4 | アスラの血流 | ラトナ・サンバ | MSX |
5 | ソーマの杯 | アクショー・ビア | MSX2 |
6 | ナーサティアの玉座 | マータリ・シュバン | ファミリーコンピュータ |
7 | カリ・ユガの光輝 | クリシュナ・シャーク | PC-9801 |
ファミコン版のエピソードは6番目に当たり、主人公の宇宙海賊マータリ・シュバンとなって、広大な宇宙を股に駆けて戦う。
タイトルに「アクティブ・シミュレーション・ウォー」と銘打たれているように、普通のシミュレーションにシューティング要素を加えたような感じで、敵勢力の惑星を制圧していきながら自軍の増強を図り、最終的にナーサティア双惑星を発見、破壊することが目的。
お子様が中心のユーザー層に配慮したのか、ファミコン版では惑星での開発要素(経営戦略)辺りがごっそりカットされ、星間の移動と艦隊の生産のみに簡略化されている。
ゲーム開始時は4段階の難易度を選択出来るが、最も難しいレベル4でないと真のエンディングに辿り着けない。最初は易しめのレベルで練習し、以降はレベル4でやるのが無難。
ゲームでやることは、ドライビングアーマーというロボットを操作して戦う惑星制圧戦(シューティングパート)と、敵艦隊に突っ込むと始まる艦隊戦(シミュレーションパート)の攻略。
惑星は全部で14あるが、単に全て制圧するだけではクリアにならず、どこかに存在するヴリトラ製造惑星とナーサティア双惑星を発見し、これらを攻略しなければならない。
ストーリー設定の都合により、ヴリトラ製造惑星は一定時間を経過すると完成してしまい、強制的にゲームオーバーとなるため、そうなる前に叩いておかなければならない。
また、ナーサティア双惑星を出現させるにはある特定の条件を満たす必要があり、普通にプレイしているとまず気がつかない。艦隊戦で得られる情報を丁寧に分析しないと解けないようになっており、当時の小学生を困惑させた。
マップ画面
画面右上の星系図を見ながら自機を移動させ、十字キーで加速、で減速、で方向転換(いわゆるラジコン操作)し、惑星か敵艦隊に突っ込んでAボタンでバトルに移行する。
黄色エリアは本拠地(母星)で、ここで艦隊の生産が可能。
赤いエリアは敵勢力の惑星、青いエリアが制圧済みの惑星を意味する。
画面左下のレーダーが最寄の惑星の位置を指し示すので、よく見ながら目的地に行こう。
レーダーが点滅している時は、敵艦隊の位置を示していることも覚えておくこと。
惑星制圧戦(シューティングパート)
開始時に援護アイテムの出現位置を任意で設定可能で、適切な位置に置く。
筆者は大体、回復アイテムを中央、ホーミングミサイルを最後に置くようにしている。
惑星毎に敵の攻撃が激しい場所が異なるので、できればそれに応じるようなアイテム配置が望ましい。
惑星戦は強制右スクロールで、十字キーでジャンプ、でしゃがみ、Aボタンでショット。
惑星(ステージ)毎に重力が設定されており、極端に重いステージでは移動速度も遅く、ジャンプも低い。逆に軽いステージだと十字キーチョン押しでもピョ~ンと高々とジャンプしてしまう。この辺は開始時に早めに操作感覚を確認しておくとよい。
地形に挟まれてもミスにはならず、そのままめり込んでスクロールするので心配無用。なるべく画面の下の方にいると有利に戦える。無敵時間が全く無い点は注意が必要で、うっかり敵編隊に突っ込むと一瞬でシールド値がなくなり、下手すると死んでしまうぞ。
「パン」とアルミホイルを指で弾いたような爆発音で呆気なく死ぬ様は見ていて虚しい。
どことなく哀愁が漂うBGMを背景に、ポツポツと出て来る敵キャラを撃っていく訳だが、自機は右向き固定で、背後(左側)から来る敵に注意。敵弾はショットで相殺可能なのでよく見て撃ち落とそう。
ステージの最深部にはボスがいるが、回避重視で立ち回ればそれほど難しくはない。
ホーミングミサイルをここに配置しておけばボスをかなり弱らせてくれるのでお勧め。
艦隊戦(シミュレーションパート)
自軍のユニットを選択して移動させ、OKならスタートボタンを押す。
お互いの攻撃で戦闘が行われ、全て終わると1ターン終了。
以降はこれの繰り返し(3ターン毎に続行か撤退を選択可能)。
戦闘中はAボタンを押しっ放しにすると早送り出来るので覚えておくと便利。
序盤は自軍ユニットが少なく、無闇に艦隊戦を仕掛けても返り討ちに遭うので、ある程度の惑星を制圧し、生産・増強を図ってから挑むのが望ましい。ただ、敵艦隊を放っておくと制圧済みの惑星を攻撃されて奪い返されることがあるので注意。その場合は再び制圧戦をするハメになるが、面倒な場合は裏技で対処可能。
敵が惑星を攻撃し始めたら(星系マップで赤・青に点滅するのが合図)、急いで母星に戻ってパスワードを控えてリセットし、再開すれば敵攻撃をキャンセル出来る。
要点をまとめると、まずは近場の惑星を制圧していき、ある程度生産力を蓄えたら戦艦を製造して艦隊を増強しよう。
敵艦隊に惑星を攻められたらすかさずパスワードを控えて再開。
惑星戦で死んだ場合もパスワードで再開して粘り強く攻略するスタイルが有効である。
終盤の惑星戦が激ムズだが、何とか気合で乗り越えて頂きたい。
ちなみにこのシリーズ、7つの機種で制作されていた全てのストーリーを1本のソフトに収録した「ディーヴァ・クロニクル」(Windows版)が2003年にボーステックより発売され、17年の時を越えて見事に復活している。興味のある方はそちらを求めると吉。