検証12 ファミコンカセットの色
久しぶりの更新となります。検証シリーズも12回目となりました。
さて、タイトルにありますように、今回は「ファミコンカセットの色」に注目してみたいと思います。
ファミコンといえば筆者の心の友といえる存在で、幼少期から共に育った間柄。様々なゲームを手に入れては昼夜を問わずプレイし、一喜一憂していたものです。そうした中、たくさんのカセットを見て、ふと疑問が湧いたことがありました。カセットの「色」です。
何色が一番多いの?
ファミコンカセットの色を見ると、黒色、黄色、赤色、緑色など、カラフルで実に鮮やか。
「何色がどれだけあるんだろうか?」とプレイしながら漠然とした気持ちは常に持っていたのですが、いつか調べようと思ったまま数十年の時が経ち…ついに動く時が来ました(笑)。
この度のファミコン生誕40周年の節目を記念して、ずっと温めていた本企画を実行に移そうと考えた次第です。
ファミコンカセットの全ての色を調査し、統計データを整理するのが本ミッションの目的となります。
今回の調査にあたり、以下の書籍を参考にしております。ありがとうございました。
- ファミコンコンプリートガイド(主婦の友社)
- ファミ・コンプリート(三才ブックス)
まず、ファミコンカセットの色を調べるにあたり把握することは、ファミコンタイトルの総本数です。
参照した書籍では、それぞれタイトル数が異なっており、インターネットで情報取集したところ、どうやら"1053本"という数字が有力なようです(ディスクシステム、非売品を除く)。
任天堂の公式サイトでは特に分からず、その数字が正式なものか不明ですが、コンプリートを謳う書籍と突き合せた結果、たしかに1053タイトルあることが確認できましたので、この数字を基準点として調査を行います。
次に、色の種類についてですが、色見本を調べると数十から数百種類もあり、全ての色と照合するとすごく大変なので、基本となる11色【白(White)・黒(Black)・赤(Red)・青(Blue)・黄(Yellow)・緑(Green)・茶(Brown)・橙(Orange)・紫(Purple)・桃(Pink)・灰色(Gray)】を基準としました。(一部例外あり)
作業の手順は、まず書籍に載っているカセットの外観写真を見て、何色か判断します。見てすぐ分かる色ならいいとして、写真の色合いや光の具合などの要因で判断に迷う場合は、ネットショップなどで写真を探して書籍と比較し、最終的に何色かを判断しました。
ただ、1000本近いカセット1つ1つを見て色を確認し、後で集計することを考えてエクセルに入力していったのですが、まぁ~この作業が思いのほか大変で、黒や白は分かりやすくていいですが、問題は、黄色・橙色・茶色のように区別がつきにくいものや、青色といっても紫寄りの青だったり赤寄りの青だったり、はたまた緑がかった青だったり…なかなか一筋縄ではいきません。
筆者の色覚は特別悪いわけではないんですが、ビミョ~な色の判断は結構時間がかかり苦戦しました。最終的にどうしても迷う色が出て来た場合は、結局、パッと見て直感的に何色に見えたかという野生の勘に頼りながら判断していってます。そのため、調査結果はあくまでも個人調べの参考値とします。また、青色を例にすると、同じ青でも水色だったり紺色だったりするんですが、いずれも基本の11色に基づき青色と判定しています。現物の色とは異なるかもしれませんので、その点もご了承ください。
【注意】
カセットの色の確認は、書籍又はインターネットメディアを参照しており、所詮は筆者の肉眼であるため、色の見え方にムラがある点をご容赦ください。実物のカセットを目視するのが最良の方法だと思いますが、全て所持している訳ではないため、このような調査方法を採択しました。データの精度は参考程度にしてください。
…というわけで、調査の結果、上表の円グラフのとおりとなりました。
予想はしてたんですが、圧倒的に黒が多く、全体シェアは1,053本中、465本(44.2%)第1位でした。ファミコンを現役でやっていた頃から、なんとなく黒が多いかな~と感じていたんですが、その感覚は概ね正しかったとみていいと思います。
次は白で183本(17.4%)第2位。これもかなりの頻度でお目にかかり、純白からクリーム色っぽいやつまで全て白でカウントしたものですが、見た目にも分かりやすい色でした。
第3位は青の144本(13.7%)で、ここまでの黒・白・青の3色がファミコンカセット界のトップ3であり、全体の約7割強を占めています。後に続く色は、全体からすると数パーセントの少数派で、意外と少ないと言えます。細かいランキングは円グラフのとおりです。
なお、ごく僅かに存在する、金ピカに輝く「ゴールド」2本(0.2%)、銀ギラギン(古い)の「シルバー」1本(0.1%)、箱が透明の「スケルトン」1本(0.1%)の3種類は、基本色と異なりますが、例外枠として一応カウントし、グラフに反映しています。ちなみに、ゴールドは『スーパーゼビウス ガンプの謎』(ナムコ)・『ドラゴンバスター』(ナムコ)、シルバーは『スター・ウォーズ』(ナムコ)、スケルトンは『沙羅曼蛇』(コナミ)でした。
以降は、メーカー毎の内訳になります。せっかく調査したので、ついでにメーカー毎のソフト数も集計してグラフ化しました。
注1:当時の社名で五十音順に掲載。クリック(タップ)すると拡大縮小します
注2:販売メーカーと開発メーカーが異なる場合は、販売メーカーを基準にしています
注3:販売タイトル数が10未満のメーカーは省略
こうして視覚化すると、メーカー毎の特色が見られます。例えばファミコンの祖・任天堂は、初期の頃からカラフルなカセットだったことを記憶してますが、色数も多くバランスよく配色されています。
初期の有力サードパーティーであるナムコは、ゴールドとシルバー以外は全て黒、歴史シミュレーションで有名な光栄も一貫して黒という結果に。他にも、コトブキシステムは青、日本物産(ニチブツ)は白で統一されており、このメーカーはこの色というように、半ばイメージカラーのようになっていたのは確かだと思います。
ゲームをやっていた当時を思い出しながらグラフを見ていると、なるほど確かにスクウェアやサン電子は白が多かった、コナミは黒ばっかりだった、バンダイは赤とか緑とか派手だった…その他いろいろ、思い出すものがあります。皆さんはいかがでしょうか。