マイライフマイラブ -ぼくの夢 わたしの願い-
対応機種 | |
ハード | ファミリーコンピュータ |
ジャンル | ボードゲーム |
開発元 | パンドラボックス |
発売元 | バンプレスト |
発売日 | 1991年8月3日 |
一人用の人生ゲーム?
もう一つの人生を体験出来るボードゲーム。
暇な人向け(笑)。
プレイヤーはある場所で生まれた人間となり、死ぬまでの一生を追体験するゲームで、言ってみれば人生ゲームみたいなものである。
はじめに自分の生まれる都道府県・地域と、名前、生年月日(1950~80年の間)、性別、血液型、親の職業を決める(容姿は選べない)。設定項目が結構細かく、なんとコウノトリまで選択出来るぞ。
一通り決めたらいよいよ人生がスタートし、最初は幼稚園児からはじまる。
ゲームの進行は、サイコロを振って出た目の数だけマス目を進み、止まったマスの絵柄に応じてイベントが起きるという流れの繰り返しが基本。前述のようにこのゲームの終わりは死ぬまでで、しかもボードゲームにもかかわらず一人用なのである。
対人・CPUの対戦要素は無く、一人で黙々とサイコロを振り続けなければならず、しかも100年近く続くため、ゴールまでが非常に長い。やることが比較的単純で、たとえ序盤はジックリやっていてもゲーム後半になると面倒になり、ひたすらAボタンと十字キー上を連射するようになるだろう(笑)。
夜にやると力尽きてそのまま寝てしまう恐ろしいゲームだ。
プレイヤーは病気や事故に遭うことはあっても死ぬことは無く、寿命を全うするまでゲームは続く。
その間、天文学的回数のサイコロを振る必要があり、相当な我慢強さが無いと途中でリセットするのは必至だろう(一応セーブは可能)。
ボードのマス目には様々な絵柄が描かれており、大別すると、止まると良いことが起こるマス、悪いことが起こるマス、普通のマスの3系統に分けられる。移動は上か横にしか出来ず、後戻りは出来ない。これは人生にやり直しが利かないのと同じなので納得。
悪いマスに止まってしまいそうな場合は、横移動で歩数調整すれば回避可能。
なるべく良いマスに止まるように動くのが基本だが、ゲーム後半になるとダレてしまい、「超バッド」のマスでも平気で止まるようになる(笑)。
展開の単調さは恐ろしいものがあり、イベントの少なさとスパンの長さ、そして「少年アシベ」でお馴染み森下裕美先生の脱力系グラフィックが単調振りに拍車を掛けている。
宝くじを買えば高確率で当選し、ジョギングすれば大抵転ぶ。突然閃いてレスリングのスキルを習得するわ、迷子を交番に連れて行ったお礼に牧師から新約聖書を貰うわ、いきなり"ねるとん"ぽいテレビ番組に出演して勝手に恋人が出来るわと脈絡の無いイベントが多く、実にユルい空気が終始画面を支配している。
極めつけは、旅行やアルバムの"思い出"を売り飛ばせるという「思い出バンク」システムだろう。
普通こういうものは金に代えられないと思うが、このゲームでは平気で売却可能。
特に想い入れが無ければ売って金にしてしまうと良い。
新婚旅行等の重要イベントの思い出とかだと高く売れる傾向がある。ただ、大人になって稼げるようになると金が有り余ってくるので、家を買う等の高額出費の際に足しにする程度でいいかもしれない。
このゲームの特筆すべき点は、取れる資格と職業の種類の豊富さ、それにいつでも結婚、離婚、絶交、引越しが出来る自由度の高いシステムにある。さすがに不倫するというコマンドは無いが、二股三股も難なく可能。
職業の種類は凄まじく多く、どれを目指すか悩むほどである。特定の資格が無いと就けない職業もあり、そのためには学業と運動が欠かせない。何になるかは完全にプレイヤーの自由であり、小さい頃の夢だった職業を目指すのもありだ。筆者は面倒だったので、資格が要らない"泥棒"に就職(笑)し、月30万を荒稼ぎしていた。
人生山あり谷あり、いつ何が起こるか分からない。
最愛の伴侶を得て幸せに暮らす人生もあれば、突然家族や友達が死ぬこともある。が、それでもゲームは淡々と、何事も無かったように進行する。
いちいち気にしてはいけない。
それがこのゲームの鉄則である。