セヴンスクロス
対応機種 | |
ハード | ドリームキャスト |
ジャンル | シミュレーションRPG |
発売元 | NECホームエレクトロニクス |
発売日 | 1998年12月23日 |
星の鼓動は、生物達の蠢き。
ある星に舞い降りた一つの原生生物。
真のサバイバルが始まる…。
電源を入れると、厳粛なBGMをバックにNHKのドキュメンタリーみたいな雰囲気を醸したオープニングムービーが流れ、最後にか細い声で「セヴンス…クロス…」というタイトルコールが響き渡る。
う~む…暗い……。
本作は種の起源と生命の神秘という壮大なテーマをぶち上げたアクション・シミュレーションで、プレイヤーはある星に産み落とされた生命体となって、厳しい弱肉強食の世界を生き抜くのが目的。
喰うか喰われるかのサバイバルを制し、環境に合わせて進化を繰り返しながら少しずつ成長していき、最終的には星のナンバーワンに君臨するまでに至るのである。
スタートすると、まず6枚の石版を選び、それぞれに色を着ける。
石版の種類は、攻撃・超能力・防御・知能・治癒・器用さがあり、それぞれに赤・青・黄・緑・白・黒のいずれか好きな色を着色しよう。これは後に出て来るDNAシートにデザインを書き込む時の成長要素を表す色として登録される。はじめは難しいことを考えず、直感で選べばOKだ。次にプレイヤーの分身となる原生生物に名前を付け、OKならばゲーム開始。
「生命は海から産まれた」という定説通り、ゲームの最初の舞台はどこかの水辺。
原生生物はミジンコみたいな状態から始まり、動くことしか出来ない。
当然ながら攻撃も何も出来ず、他の生物に手も足も出ないので逃げ回ることになる。
まずは、そこら辺にある藻を摂取して栄養素を蓄えていこう。
一定数喰うとウミウシみたいな身体に進化し、更に喰い続けると人魚みたいな姿に変態。
この状態がプレイヤーの初期形態にして基本となるORIGINである。
こうなれば微弱ながら攻撃力が備わり、他の生物と戦うことが可能になる。
しかし戦闘力を手に入れたといっても、プレイヤーはまだ非常に弱い。
そこらのウミウシやヒトデにすら勝てないので、しばらくは藻を喰い続ける必要があるだろう。
そうこうしている内に「ザッ…ザッ…ザッ…ザッ…」という不気味な足音が聞こえたかと思ったら、ザシュ…という鈍い音がして画面が暗転、Now Loadingの文字が浮かび上がる。
そして、何事もなかったように再スタートを切るORIGIN。
どうやら死んだらしい。
足音の正体は、このゲームを象徴する生物、蟹(カニ)である。
序盤はとにかく蟹が強敵で、足音が聞こえたら急いで逃げないと餌食となってしまう。このゲームの経験者を対象に「セヴンスクロスを遊んで印象に残っていることは?」というアンケートを実施したら、恐らくほとんどのユーザーが「蟹」と回答するだろうというほど印象深い生物である。蟹クロスと改名してもいいくらいだ。序盤は死んで当たり前という心構えで、何回も死にながら少しずつ成長させていくしかない(筆者は少なくとも20回は死にました)。
まずは蟹より弱いウミウシかヒトデを狙って攻撃するといい。
攻撃可能な距離まで接近したら赤いカーソルが出現し、Aボタンで戦闘開始。
どちらかが死ぬまで殴り合いを続け、勝てば敵生物を捕食出来る。リンゴをかじるような音が気持ちいいぞ。
敵(自分以外の生物)を倒すとEVP(進化値)というポイントが得られ、一定数を消費してDNAシートに遺伝情報を書き込むことが可能。まず、フィールド上にある赤い石碑に触れるとEVOLUTIONとSAVEの2項目が現れ、EVOLUTIONを選択すればDNAシート画面に移行する。
ここでは10×10マスの範囲内で好きなデザインを描き、送信することでプレイヤーのパラメータがUP。更に、デザイン次第では進化に必要な身体のパーツをゲットすることが出来る。要するにEVPは経験値みたいなもので、DNAシートでレベルアップすると思っていればよい。
進化の部位 | 特徴 |
HEAD | 知能を司る部位で、主にEXPOWERに関係する |
ARM | 攻撃力に影響。種類によっては直接攻撃と間接攻撃が可能 |
BODY | 生命力と治癒能力に関係する部位 |
LEG | 足の速さと行動可能なエリア※が関係する特に重要な部位 |
プレイヤーが描いたデザインはニューロテクノロジーS.O.M※(人工生命)が判断しており、入力されたデザインを元に、次の進化を決める身体のパーツを生み出していく。最初は適当にデザインしてみて、良いパーツが手に入ったら、その時の履歴を参考に似たデザインを描いていくのが基本。
※S.O.M(Self Organization Map) T.コホネン氏が提唱している、自己組織型ニューラルネットワークであり、主として一定形式のパタンの種類分けに用いられる。
新しい身体のパーツ(頭・腕・腹・足)への進化の権利を獲得すると、BボタンのMUTATIONコマンドから付け替えが出来る。ただし、それにはパーツ毎に設定された体成分という数値を満たしておかなければならない。
成分値 | 特徴 |
WA | WATERの略で水分を表す |
PROT | PROTEINの略でタンパク質を表す |
CAL | CALCIUMの略でカルシウムを表す |
FIB | FIBERの略で繊維質を表す |
HC | HARD CELLの略で硬化細胞という特殊な成分を表す |
NBIO | NEURO BIOの略でニューロバイオという特殊な成分を表す |
これらの成分のうち、タンパク質は主に敵生物を捕食、繊維質等はフィールド上に点在する草や鉄分を回収すれば増えていく。ただし体成分は受けたダメージの自然治癒やEXPOWERの回復等に使用されるため、自然に消費する。よって、常に敵生物と自然物を捕食していかなければならない。
ちなみにEXPOWERとは様々な効力を持った特殊能力のことで、RPGでいう魔法の様なもの。説明書には「効果は実際に使用して自分で確かめて」と書いてある(笑)。あくまでサバイバルという訳だ。
……と、ここまで小難しいことを説明してきたが、DNA関係を頭で理解しつつプレイするには慣れが必要で結構難しい。初めはステータス画面を開いても用語の意味が全く理解出来ず、説明書が無いとかなり厳しい。そして、説明書をちゃんと読んでも意味がよく分からないという恐ろしさである。
要するにこのゲームの流れは……
敵生物を倒す→喰う→EVPを稼ぐ→石碑に触れてDNAシートに移行→デザインを描く→新しい身体のパーツをゲット→必要な体成分を満たして新パーツを装着→最初に戻る……
大雑把に言うと上記のような流れになる。
説明書を読むと他にも細かいことが書いてあるが、面倒なので「とにかく目の前の敵を狩り続ければいいんだな?」という感じでプレイしていれば吉。DNAデザインについても色々小難しいことが解説されているが、結局はデタラメに入力して偶然良いパーツが手に入る「突然変異」頼みになりがちだ(適当でスマン)。
荒涼としたフィールドに漂う暗い雰囲気と孤独感に耐えながら黙々と敵生物と戦うプレイを強要される中、唯一の楽しみとなる「進化の過程」を味わうという渋いゲームである。
間違いなく万人に勧められるゲームではなく、一部の好事家かDNAに詳しい学識者くらいにしかお勧め出来ないと言わざるを得ない。なにしろパーツの組み合わせ次第で810000通りにも及ぶ生物に進化するという、無駄に凄い点が光る。
このゲームの凄いところはとにかく分かったが、結局は作業的になりがちで、せっかく導入して頂いたS.O.M(人工生命)も、矢田亜希子と八田亜矢子の区別がつかないレベルの筆者の頭脳では到底理解出来ませんでした。
(´;ω;`)ウッ…… こんなんで生命の神秘とやらを感じ取れるもんならやってみろ!!
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セブンスクロスの記事を見れるとは嬉しいです~。
しかもこんなにイメージがいっぱい!
最初のカニの恐怖を強く覚えてますw
これ何かしらの本体で配信されないかなー
記事を読ませていただいたらまた遊びたくなりました。
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こんにちはfeiさん。コメントありがとうございます。
このゲームを知ってる人って少ないので、コメント頂けるとは思いませんでした(笑)
セヴンスクロスといえばやはり蟹ですね。間違いなく最初の壁でしょう。
地味に長いロードにも耐えないといけないので根気が要るゲームです。