#18 口蹄疫の悪夢再び

ゲームとは全く関係の無い話題で恐縮なのですが、県民としてじっとしてられない訳で…。
5月19日、東国原知事が県内に非常事態宣言のおふれを出した。

今、宮崎はかつてない危機に直面している。
報道でご存知の方も多いでしょうが、牛や豚などの家畜に伝染する口蹄疫が大発生しているのである。
宮崎の基幹産業である一次産業、特に畜産業界には衝撃が走っている。松坂牛や佐賀牛など、全国のブランド牛の元になる子牛は宮崎産が多いからだ。

口蹄疫とは、牛・豚・羊などの偶蹄類が罹るウイルス性の病気で、口と蹄に水ぶくれが出来ることからこの名がついた。その他の症状として、発熱・食欲不振などがある。
最初に感染の疑似患畜(繁殖牛1頭)が現れたのは4月9日で、その時は口蹄疫と診断されなかった。
今にして思えば、この時に徹底した防疫を施しておけば…と悔やんでも悔やみきれない。
その後4月20日に口蹄疫の感染が正式に確認され、同日に県が対策本部を設置。徹底した防疫が実施された。

ところが、伝染の進行は食い止められるどころか爆発的にエスカレートしていく。
10年前の悪夢が蘇る…。

新聞記事
宮崎日日新聞(平成22年5月19日)

10年前に宮崎で口蹄疫が発生した時は、比較的範囲が狭く被害もそれほど出なかったが、なぜか北海道にも飛び火した経緯があることを考えると、日本全国どこで発生してもおかしくない病気である。
徹底した移動制限が課せられるのはそのためだ。

なので、たとえボランティアで農家の防疫作業のお手伝いをしたいと思っても、迂闊に現場に近づけないというジレンマも抱えているのが県民の実状だ。地元では義援金の寄付による支援の輪が広がりつつある。

筆者も県民として何か出来ないかと考えても、出来ることといえばブログで記事にすることくらいしかできない。それならせめて、口蹄疫というものが何なのかを多くの人に知ってほしい。

  • 口蹄疫は家畜の伝染病で、人間には感染しません
  • 口蹄疫に感染した家畜・牛乳が市場に出回ることはありません
  • 感染した家畜の肉・牛乳を摂取しても、人体に影響はありません

なお、より詳しい情報は以下の農林水産省HPで確認出来ます。
http://www.maff.go.jp/j/syouan/douei/katiku_yobo/k_fmd/index.html

国の対応が遅いという批判も多い。
特に、口蹄疫発生初期は農林水産大臣が中南米を外遊中だったことに、現場からは怒号が噴出している。真っ先に来なきゃいけない人が一番最後に来たのだから批判は必至だろう。
大臣が宮崎入りした時に地元選出の代議士が猛烈に噛み付いた時の映像がニュースで流れたので観た人もいるかもしれません。ちょうどゴールデンウィークの時期で、人が多かったことも不運だったのかもしれない。

風評被害も恐ろしいが、地元として言わせて頂くと、今は政府の対応がどうのとか言っている場合ではない。24時間体制で防疫作業に従事する関係者の疲労は限界に達しつつあるし、何より精神的な苦しみも大きい。殺処分される牛や豚の横で涙を流しながら見つめる農家の方々の心中は察するに余りある。

事態を重くみた対策本部は、県内の種雄牛6頭をハザード外に緊急避難。これが不幸中の幸いだった。
県内には次代を担う種雄牛が55頭いたが、その中でもエース級の優良牛がこの6頭である。
避難したとはいえ、しばらくは厳重な監視下に置かれ、予断を許さない状況なのは変わりない。

3年前に全国最強の称号を得た宮崎牛が存亡の危機に立たされたいま、ブランド牛の未来はこの6頭に託された訳だ。
絶対に無事であってほしいと切に願う。

新聞記事
宮崎日日新聞(平成22年5月16日)

筆者も職業がら口蹄疫には少なからず関わっており、畜産農家の悲痛な叫びが聞こえる距離にいるので非常に心苦しい。とにかく早く収束してほしいというのが県民の願いです。
がんばれ!宮崎!!(知事も)

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