ダイナマイト刑事

ダイナマイト刑事
対応機種Arcade_Astrocityss1Ps2
ハードセガサターン
ジャンルアクション
発売元セガ・エンタープライゼス
発売日1997年1月24日

良質バカゲーの決定版!
セガST-V基盤で制作されたベルトアクションゲーム。
どこかで見たような…?

キャラクターの馬鹿っぽさと大真面目なストーリー展開のアンバランスさが独特の雰囲気を生み出している変なゲーム。アーケードで登場するや、テンポの良さとアクションの多彩さでなかなかの人気を博した。

今回レビューするのはセガサターンに移植されたものだが、ST-V基盤との互換性により再現度はほぼ完璧で、アーケードと遜色ない出来栄えであるも、難を言えば、ロード回数が多めで少しテンポが悪い。
ムービーシーンの場面が変わる度に読み込みが入るのは何とかしてほしかったところだ。

ダイナマイト刑事
おまけ収録の「ディープスキャン」

アメリカはサンフランシスコ市街にそびえ立つエターナルタワー。
日系企業ワタナベ・コンツェルンの中枢的存在で、市民の羨望のまなざしと冷淡な視線を集める同企業繁栄の象徴である。ここでは大晦日になると、政界や財界のVIPを集めてニューイヤーパーティーが行われており、今年も名だたる大物ゲストが数多く出席。その中には大統領の娘も含まれていた。

盛大なパーティーが幕を開ける直前。
カクテル光線が降り注ぎ、タワーの姿が浮かび上がったその時、突如テロリストが銃を乱射しながら出現。多くのVIPが人質として拘束され、大統領の娘も安否が心配された…。

ダイナマイト刑事
ダイナマイト刑事

という訳で登場するのが、サンフランシスコ市警の敏腕刑事ブルーノ=デリンジャー警部補である。
市警きっての検挙率を誇るものの、犯人逮捕の報奨金よりも器物損壊による損害賠償の方が遥かに多いという恐ろしい刑事で、通称ミスター・ダイナマイトと呼ばれている。

プレイヤーはこやつを操作し、テロリストに占拠された超高層ビルに乗り込んで大統領の娘を救出するミッションを開始するのであった…。

ダイナマイト刑事
敵の親玉ウルフ=ホンゴウ
ダイナマイト刑事
机に隠れる娘。気付けよ!

どこかで聞いたようなストーリーだな~と思った方、恐らくその感覚は正しい。
映画『ダイハード』(1988年 監督ジョン・マクティアナン)の世界観にソックリだからである。
スタッフも確信犯的に制作したに違いない。海外版のタイトルは「DIE HARD ARCADE」だしね。
ステージが進むとプレイヤーの服がだんだんボロボロになっていくところはまるでブルース・ウィリスのよう。

内容も映画のように破天荒で、攻撃手段が非常に多彩。
プロレス技を中心とした格闘を基本に、拳銃・マシンガン・対戦車砲・ミサイルランチャー等の銃火器の他、モップ・割れたビン・TVモニター・柱時計なんてものまで武器にしてしまうところに叩き上げの刑事(デカ)魂を感じずにはいられない。
ちなみに説明書の裏には「危ない奴ほど、良く燃える。」と書いてある。

ダイナマイト刑事
端まですっ飛ばす対戦車砲
ダイナマイト刑事
超威力のミサイルランチャー

ゲームの基本はベルトアクションで、画面はやや斜め上からの見下ろし視点となっている。
キャラはポリゴンで表現されており、上下左右に移動出来るものの横にしか攻撃出来ないので、感覚的には『ファイナルファイト』に近い。ベルトアクションと言っても戦闘エリアは固定画面で、スクロールは無し。

画面上の敵を全滅させると次のエリアへ進むムービーシーンが流れるのだが、この時は画面に表示されるボタンか十字キーの方向を素早く押す必要があり、成功するとスローモーションと別アングルリプレイが笑える派手な演出が入る。
入力に失敗するとダメージを受けたり、余計な戦闘を強いられたりするのできっちり成功させたい。
入力受付時間は長めなので落ち着いてプッシュせよ。

ダイナマイト刑事
ダイナマイト刑事

操作は、十字キーによる移動とパンチ・キック・ジャンプで、KKK、PPPK等の連続技の他に、+P+J等のコマンド技、敵を掴んでの組み技がある。

普段は判定が強く多少軸がずれていても当たるジャンピング・ダブルバックキック(+K+J)を中心に戦い、掴みに成功したら強力な投げ技を仕掛けていくとよい。他の敵を巻き込めるジャイアントスイング(掴みからPPKKP)、高威力で返されにくいスクリュードライバー(掴みからKKPPPP)辺りがお勧め。他には+PPKも使いやすく、最初のパンチがガードされても最後の足払いが高確率でヒットする便利な技だ。
ピンチの時は、PKJ同時押しの緊急アタック(体力を少し消費)で乗り切ろう。

また、拳銃を持っている時に敵を掴んでPP(またはKK)を押すと手錠を掛けて逮捕することが出来る。敵の残り体力に関係無く一発で倒せるので積極的に確保していくと吉。
(コマンド表記は右向き時のもの)

ダイナマイト刑事
ダイナマイト刑事

棒やナイフ等の手持ち武器は敵に接近して使う。中でも消防用手斧と割れたビンの連続アタックは非常に強力。武器はジャンプからKで投げつけることも出来るので最後のトドメに。
笑えるのはコショーで、敵にふりかけ→咳込み→空ビン投げつけのコンボは、威力よりも見た目のマヌケさに注目してほしい。拳銃を撃ち尽くしたら銃そのものを投げて攻撃するところも人間臭くて好きですね。

筆者的にツボだったのは、殺虫剤とライターを組み合わせてミニ火炎放射を繰り出す攻撃。
小さい頃にこれでハエを撃退していたのを思い出す。(危険なので真似しないで下さい)
ライターは灰皿をぶちまけると入手出来るぞ。

ダイナマイト刑事
使えるものは何でも使うのが刑事の鉄則

出て来るテロリストも個性が強く、どこか憎めない面々。
空手家っぽい奴、スモウレスラー、警備ロボット、トラックスーツ姿にアフロ、果てはシャワールームでパンツ一丁の奴までいて、実に楽しい連中が刑事の相手になってくれるぞ。
放水車で仲間を巻き込んで妨害してくるマヌケなテロリストに愛着が湧くのは筆者だけだろうか。

最終ボスはワタナベ・コンツェルンの警備会社取締役ウルフ=ホンゴウ。
警備会社と言っても実質的には私設兵団で、ホンゴウの真の狙いはエターナルタワー内の金庫室に眠る莫大な資産。金庫がこじ開けられ、奪い去られる前に何としてでも食い止めるのだ!

ダイナマイト刑事
金庫が開いた時の欲にまみれた表情

このゲームの面白いところは、冒頭でも述べたように笑いとシリアスが同居した空気感にある。
オーケストラ風の緊張感あるBGMに加え、これでもかと言わんばかりの派手なリプレイ演出、そして大真面目にアクションを演じるブルーノ達…。
当人達は一所懸命やっているのだろうが、そこはかとなく漂う馬鹿っぽさも併せ持っているところがミソで、この微妙なズレが何とも言えない可笑しさを生み出している。
変にネタに走らず、割と真面目にやってるっぽい?ところが非常に好印象でした。

最後に是非見て頂きたいのが、大統領の娘キャロラインのドアップ顔。
お世辞にも綺麗とは言えないグラフィックでこの顔である。
ブサイク過ぎるとセガにクレームが殺到したんじゃないかとこっちが心配になるクオリティーは必見。
(これはこれで不思議な人気があったが)

ダイナマイト刑事
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ダイナマイト刑事” に対して2件のコメントがあります。

  1. インベ太 より:

    SECRET: 0
    PASS: 9208a20086ebfef780143c1fa4262e79
    Bullcatさん、こんばんは♪
    ダイナマイト刑事!!これ凄く面白かったですね。。。
    ゲーセンでお金使いまくりました(笑)
    でもサターンではすでに売っていたのでやってないですorz

  2. Bullcat より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    インベ太さん、こんばんは( ´―`)
    私もこのゲームをゲーセンでやり込んだ一人です。
    当時行きつけのゲーセンでは、ダイナマイト刑事はなぜか100インチくらいある大画面だったので、画面から伝わる迫力はかなりのものでした。
    2面の地下駐車場からトイレに続く通路ですれ違いざまに敵を殴るシーンがありますが、よく見たら敵が持ってたハンカチがヒラヒラと落ちていってるところに笑いのツボを感じましたね(笑)

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