天下の御意見番 水戸黄門

対応機種
ハード	ファミリーコンピュータ
ジャンル	アクション
発売元	サンソフト
発売日	1987年8月11日

頭が高いぞ!!
ついに出てしまった水戸黄門のゲーム。悪人を成敗しよう。

静まれ静まれぃ！この紋所が目に入らぬか！
こちらにおわす御方をどなたと心得る！
畏れ多くも前の副将軍、水戸光圀公にあらせられるぞ！
一同、頭が高い！控えおろう～!!

マジで喋ります。
この音声作った人は只者じゃないと思う。

このゲームはオープニングの台詞が全てである。
約18秒にも渡る音声合成は圧巻の一言で、台詞の長さでは恐らくファミコン史上随一であろう。これに全容量を使い果たしたんじゃないかとこっちが心配になる程の出来だ。

ゲームは悪人の不正に関する情報と証拠を集めて、最後に懲らしめるというお馴染みの流れなのだが、そんなことよりもオープニングの完成度の方がインパクトが強すぎて、プレイした思い出と言ってもタイトルの音声しか思い浮かばないという、ある意味凄いゲームである。

プレイヤーは助さん格さんとなり、悪事を働く代官や悪徳商人等に関する情報を町の人から集めることに終始する。充分な証言・証拠が揃い、親玉の悪事が確定的になると、いよいよ御老公御大の登場である。悪事をバッサリと斬り捨てて一件落着、次の町へと進むのだ。

町の中は十字キーで自由に移動でき、道行く人々に話しかけることで情報を得られる。善良な町民ならば問題無いが、一部の人間は悪人であり、話しかけようとするとダメージを受けてしまう。見分ける方法は特に無いのだが、なんとなく人相が悪いので判別は一応可能だ。
「コイツ悪そうだな」と思ったら、容赦無くパンチをお見舞せよ！この時、横からだと敵の飛び道具が危険なので、なるべく上下から殴るようにすると良い。

見かけで判断するのは正義の使者としてどうかと思うが、いちいち気にしてると面倒なので構わず殴ろう。悪人を1～2発殴り、泣き顔になったら話しかけられる。善人を殴ると金が減るので注意。

格さんでは相手にしてくれない連中には、うっかり八兵衛の出番。敵が落とすチェンジアイテム「お椀」を使うと交代でき、しばらくの間、行動可能となる。八兵衛だとお金や回復アイテムを貰えたり、射的が出来る等のメリットがある。ただし、八兵衛に交代中は体力メーターが徐々に減っていき、ゼロになると元の格さんに戻る。

建物の2階の窓や、わずかな隙間が開いている所は、風車の弥七ならば進入可能。チェンジアイテムは「風車」で、テレビでお馴染みの天井裏シーンが拝める。有力な情報を掴めるぞ。ちなみに弥七はジャンプが出来る上に飛び道具も使えて、おまけに足も速いと良いこと尽くめだが、やはり一定時間しか使えないのが残念なところだ。

登場キャラは以上の3人だが、次の面に進むと今度は助さんに代わり、風車の弥七はかげろうお銀に代わる。能力は全く同じだ。

町の中をうろついていると、時々幽霊が凄い勢いで格さんに突っ込んで来て、取り憑かれるとみるみる体力を奪われてしまう。万屋でお札を買っておけば退散してくれるので、最低でも1枚は持ち歩くようにしておくと安心。幽霊はスピードが速く、建物に入っても消えないので、振り切るのは非常に難しい。体力が減ってきたら蕎麦屋で回復しよう。

このゲームではお金が無いと当然買い物は出来ないが、手っ取り早く稼ぐ方法は、八兵衛で射的をやること。動く的を矢で射るだけと比較的簡単で、何回かやって金を蓄えておくと、後々の攻略に役立つのでオススメ。

ゲームでやるべきことを大まかにまとめると、まず全ての町人から話を聞き、相手にしてくれない民家には八兵衛で対応、隙間があるところは弥七のジャンプで侵入。町内を漏れなく回れば「てがかり」メーターが満杯になるはずなので、そうなれば御老公が泊まっている宿まで行けばクリアとなる。

ところが、このゲームには時間制限があり、夜の8時になると真っ暗になってしまい、その日の捜査は終了となる。そればかりか、次のステージまで強制的に移動させられるという謎仕様になっている。そのため、町での行動は出来るだけ迅速に行うことが重要である。

しかし、そうは言っても結構難しいのがこのゲーム。その理由は操作性にある。八方向に移動出来るのだが、なぜか斜め入力の認識が厳しく、斜め移動が非常に難しい。おまけに、路上の石や灯篭に引っかかりやすいため、中々思ったように動いてくれないのである。慣れるしかないのだが、この点は残念でならない。ゲーム自体は好きなんですが…。(;´д⊂)
もう一つ残念なのは、由美かおるの入浴シーンが出て来ないことか。

冒頭でも触れたように、このゲームの音声合成はハンパではなく、随所でこれでもかと喋りまくるのが特徴。店に入れば「いらっしゃいませ」、死ねば悪代官が「残念でしたな！」と来やがるもんだから、ここまで喋らせる必要があったのかと、ディレクターでなくとも疑問に思う程の乱発振りなのだが、クリアした時の黄門様の高笑いは是非とも一度は聴いてみてほしい。

余談ですが、筆者は水戸黄門が好きで、今でも毎週テレビで観てます。勧善懲悪のストーリー展開はとても分かりやすく、印籠一発で解決するのはやはりスカっとします。「この田舎ジジイが!!」だったのが「恐れいりました～」と180度変わる瞬間が最高ですな。